学校ブログ

校長通信

3学期始業式 第80号

2025/01/09

行事

式辞の要旨です。

新たな年を迎え、本年もよろしくお願いいたします。
書き初めは「健」を書いてみました。意味は2つあって、「健やか。体が丈夫なこと」「強い。勇ましい。おおしい。」があります。
WHO憲章(1951)前文に健康の定義があげられています。
「健康とは完全な肉体的、精神的、及び社会的によき状態であり、単に疾患または病弱の存在しないことではない」体の健康だけをあげているのでなく、持続的な幸せ well beingに触れています。
漢字の成り立ちを調べてみました。健という漢字は、イ(人)と建に分けることができます。建という字は、筆の原字で、「手で筆を立てることをさす」と、「歩く」という意味からなり、からだを立ててあるく行動力をさします。自らが立ち上がるという意味も持ちます。人としてしっかりしている。人をしっかりとさせる(人をたてる)という意味合いを持ちます。
自らが立ち上がる意思と、即座に動く行動力にて、自分と周囲の人をしっかりと助ける力を持つ。すこやかであることとは、自分の心がしっかりとしていること、土台となる体がしっかりとしていることをさします。
インフルエンザもはやっています。みなさんが心身共に健康でありたいと願います。

30年前1995年1月17日の阪神淡路大震災にあたり、地震のお話、二人の人物を紹介します。この30年間にも大きな地震があり、多くの方が亡くなり、被災しました。
お一人は、本校39期生の高校1年在籍の女生徒です。震災で犠牲になりました。神戸市内から通学していた高入生でした。阪神大震災は早朝でしたので寝ている時に建物に押しつぶされて亡くなったと聞きました。彼女は9ヶ月しかこの学校に通学できませんでした。生きていれば45歳、大学に進学され社会で活躍され、みなさんのようなお子さんがいる人生だったかもしれません。地震だけでなく病気や事故でお命そして夢が奪われた方があると思うと胸が苦しくなります。方々のご冥福をお祈りし、黙祷いたしましょう。

もう一方は、名古屋大学大学院環境学研究科地震火山研究センターの准教授の卒業生です。本校33期生で私が初めて担任をさせていただいた学年の生徒です。京都大学大学院に進まれ、観測地震学,海底地殻変動観測が専門です。海底で地殻変動を測る機械を作って,実際に南海トラフや南西諸島海溝沿いで観測を行っています。政府の委員や学会でも活躍され、テレビなどのメディアでも発信されています。
地震学者として雲雀丘の後輩たちにメッセージをお願いしたところ、快く引き受けてくれました。

阪神・淡路大震災から約30年が経過して、だんだんと忘れ去られてゆくのが寂しくてなりません。生徒さんたちにも私からのメッセージとしてお伝えいただければ幸いです。日本は地震大国だと言われますが、それは地球上の大地震の約2割が日本周辺で起こるからです。地震の予知は極めて困難なため、地震はいつも不意打ちで起こります。生徒のみなさんも、能登半島地震の被害や被災者の方々の様子を映像等でご覧になっていると思います。家屋の倒壊や大規模火災、困難な避難所生活などの様子は、みなさんが生まれる前に起こった阪神・淡路大震災の時と全く同じです。これらの地震災害を「他人のことだ」、「昔のことだ」と思わずに、自分の生活や環境に重ねてみて下さい。地震が発生した場合に、身の回りでどんな被害が起こりそうか、どうやって自分は生き延びようか、どうやって周りの人を支えようかなどについて、一度考えてみて下さい。みなさんが大人になってから地震が起こった場合、みなさんが家族や社会、国を守る主役になります。地震災害を目の当たりにしている今考えたことが、将来、きっと役に立つはずです。

先生の言葉の「他人のことだ」、「昔のことだ」と思わずに、自分の生活や環境に重ねてみて、心に留めてください。

最後に、3学期は短い期間ですが、「締めくくりであり、次へのステップアップの学期」です。「健康に留意して挑戦、成長、飛躍しましょう!みなさんの頑張りを楽しみにしております。ありがとうございました。

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