学校ブログ

学校だより

図書室 合唱コンクール

2018/09/11

図書室から

 週末は文化祭が悪天候で中止となり残念でした。予定されていた合唱コンクールは順延となり本日開催されました。練習の成果は発揮できましたか?

 今日は紹介する本は、全くうまくいかなかった合唱コンクールから始まる物語です。

よろこびの歌/宮下奈都 (実業之日本社)

 声楽を志す高校2年生の玲(れい)は、音大附属高校の受験に失敗、普通科の女子校に進学しますが、挫折感を抱いたままクラスメイトとも、一流バイオリニストの母とも距離をおき無気力な日々を送っています。

 そんな玲が合唱コンクールの指揮をとる事に。短くて単調なリズムだからという理由でクラスで選んだのは合唱曲『麗しのマドンナ』でもこの曲は玲にとって受験の時に心の傷となった曲でした。 聴く人を感動させようとやっきになった玲はクラスメイトに「歌わせよう」と指導します。でもそのことで逆にクラスはまとまらずバラバラに。合唱は大失敗に終わり、玲の歌に対する思いも、クラスメイトに対する気持ちも又以前のように。

 でもそんな玲に本当の歌の力を見せてくれたのが、マラソン大会で玲に向けてクラスメイトが歌ってくれた『麗しのマドンナ』だったのです。マラソン大会に合唱?と思った人はぜひこの本を手にとってみてください。

 玲だけでなくクラスメイト達もそれぞれ事情を抱えています。家庭環境だったり、姉妹への劣等感だったり、スポーツや恋だったり。そんな彼女たちが歌うことを通して心がほぐれていく様子が描かれています。

「羊と鋼の森」の著者が綴る短編連作です。




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