学校だより
図書室 琥珀の夢
2018/10/10
図書室から
サントリー創業者・鳥井信治郎の生涯を描いたドラマ「琥珀の夢」が先日放送されました。この原作となったのが 琥珀の夢/伊集院静(集英社)洋酒文化を日本に定着させることに人生を捧げた鳥井信治郎の物語です。 「やってみなはれ」は失敗を怖れず挑みなさいということだ。
鳥井信治郎が最初に手がけたのが「赤玉ポートワイン」 それは砂糖や薬草を入れて作られた甘味果実酒で、本物のワインではありませんでした。でもそれは本物のワインを知らない日本人をだますためではなく、日本酒しか知らない当時の日本人に受け入れてもらうための創意工夫だったそうです。
その後、蒸留所を建て本格的にウイスキーの生産を目指す信治郎。しかし原酒を熟成、完成させるまでに10年余り、その間はお金にならないのはもちろん完成したウイスキーが売れるかどうかもわかりません。なんて向こう見ずな。
しかし、伊集院さんにはそんな信治郎について「類い希な発想と創造力を持った1人の商人。明治人のチャレンジ精神と彼のハイカラなセンスを現代の日本人に読んで貰いたい」と感じ、物語を手がけたそうです。
小説の執筆の取材のため伊集院さんは学園を訪れ講堂や60ホールを見学されました。その時いただいたのがこの2枚の色紙です。「美しい会話の中に 美しい日々は在(あ)る 正しい日本語を身に付けなさい」