学校だより
図書室 24年目の1月17日
2019/01/17
図書室から
阪神淡路大震災から今日で24年です。
昨年も日本各地で災害が起こりました。そのたびに「当たり前だと思っていた」ことは「当たり前じゃない」ことを思い知らされます。
翔ぶ少女/原田マハ
1995年1月17日、自宅で眠っていた小学1年生の丹華(ニケ)もそうでした。早朝、自宅の1階で両親が営むパン屋から漂ってくるいい匂いが眠っているニケを包みこみます。ニケはうとうとしながら、働く両親の姿や焼き上がったパンのことを思い浮かべ幸せな気持ちになります。そんな毎日の当たり前の情景を大きな揺れがおそいます。
神戸市長田区、震災で両親を失ったニケ達3人兄妹は、同じく震災で奥さんを亡くした医師の佐元良先生に助けられます。けがをした足の傷以上に心に負った傷に苦しむニケに「前を向いて、歩いていこう。ゆっくりでいいから」と佐元良先生は声をかけます。
ニケは強くなりたいと誓います。心は強く愛すると翼に、苦しむと毒薬に変わるのだそうです。復興へと歩む町で少しずつ絆を育んでいく4人に思いがけない出来事がおこります。やさしい奇跡と再生の物語。