学校ブログ

学校だより

図書室 こんな本、読んだ⑭

2020/03/09

 サトコとナダ/ユペチカ 全4巻(講談社)

 大学生のサトコが留学先のアメリカでルームメイトとして出会ったのは、サウジアラビア出身でイスラム教徒である大学生・ナダ。初対面、ドアを開けて出てきたナダは目の部分だけが見えるケープのようなものをかぶっていて、サトコはそれだけでちょっとおっかなびっくりです。

 1日に何度もお祈りをする、豚肉を食べない、女性は人前では髪や肌を隠さなければいけない・・・。なんとなくしか知らないイスラム教。その教徒の女の子と慣れない場所でどんなふうに暮らしていけばいいんだろう?

  いざ生活がスタートしてみると、彼女たちだってニカブ(目だけが見えるケープ)やヒジャブ(顔が見えるケープ)の下は普通の女の子。おしゃれが好きで甘いものが大好き。男性さえいなければ、屋内ではケープを外し私たちと同じ様な服装で過ごします。髪も隠しません。みんなで集まって女子会だってします。ラマダーン(断食)の時は、日中は食事を取らない分、夜になると一気に食べてしまうので「太る・・・」と気にしたり、綺麗な人が得をする世界でニカブをかぶることで、見た目がわからないから無敵よ!と思ったり。

 育った環境によって文化や習慣の違いが発覚する度に、驚いて、楽しんで、興味を持ち、尊重する2人。それって宗教や民族の違いに関わらず普通に大事にしたいことです。

(図書室司書:南竹)

「サトコとナダ」から考えるイスラム教入門~ムスリムの生活・文化・歴史/椿原敦子 黒田賢治 もあわせてどうぞ。

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