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図書室 時の記念日

2021/06/10

図書室から

時間というのは誰にでも平等に与えられるもので、二度と取り返すことのできないもの。そんな大切な時間についてあらためて考える。今日6月10日は時の記念日です。

時間と物語といって思いつくのはドイツの作家ミヒャエル・エンデ作「モモ」1973年に発行され読み継がれているロングセラーです。時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語です。

街の廃墟のような野外劇場にボサボサ頭でやせっぽっち、つぎはぎだらけのスカートに古ぼけただぶだぶの上着を着た1人の少女が住みつきました。大きく真っくろですばらしく美しい目と豊かな想像力と特別な力を持ったその少女が、主人公・モモです。

ある時、街に人々の時間を盗み取るために時間貯蓄銀行の灰色の男たちが忍び寄ります。言葉巧みに人々に取り入って時間を倹約するようけしかけるのです。
 「友達とのおしゃべり、歌を歌ったり、本を読む時間etc、そんな時間を節約して銀行に預けていただければ利子をつけてお返しします。そうすれば、あなたの時間は増える一方!」
 そうやって節約を始めた人たちは、一転せかせかした生活を送ることになります。だって、人生の楽しい時間を節約してしまったのですから。それに気づいたモモは皆を助けようとするのですが、灰色の男たちに狙われることに・・・。

 生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかを知っているモモと子どもたちの冒険の物語です。

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