高3学年通信
何のために学ぶのか
2019/02/19
家庭科の裁縫の授業で、ある生徒が言いました。
「裁縫が人生の何の役に立つんですか?こんなことやっても意味がないと思います」
この言葉には様々な思い込みが詰まっていますが、一般教養の観点から問いへの答えを綴りたいと思います。
何のために様々な科目を勉強するのか。それは、教養を身につけるためです。
批評家の内田樹さんが神戸女学院大学の教授だった頃、「リベラルアーツ」を唱えたのは、偏ったものではない、バランスのよい教養を学生に身につけさせるためだったといいます。広く様々なことを学ぶからこそ、ものの見方が広まっていくのです。
また、様々な科目を勉強するからこそ、自分に向いている科目が分かってきます。何でも本気でやってみないと向いているかどうかなんて分かりません。
そして、ここ雲雀丘学園は普通科の学校です。専門学科でもなく専門学校でもありません。普通科は普通教育を行うところ、高校から自分に合った専門的な学校へ通っている人はいます。
文系でも高3で数学はあります。苦手な人にも得意な人にも等しく科目は課されます。ちなみに、大学に入ってからも一般教養は全員に課されます。「何の役に立つのか」なんて後ろ向きに考えるより、「これが人生の何に役立てられるか」と前向きに考えてほしいと思います。