高3学年通信(64期生)
空へ
2021/08/27
1学期の授業が終わって息つく間もなく始まった夏期講習、第1ターム〜第3ターム最終日の8月7日まで64期生をご指導いただいておりました。受講者数は第1ターム現代文94名、漢文89名、第2ターム古文131名、現代文69名、第3ターム古文134名。欠席も少なく頑張っていると褒めていただきました。
「毎年やってることですから、なぁに、なんてことありません」といつもの口調で笑い、「リンゴジュース、いただきました。家内と半分ずつ飲みました。ほとんど家内が飲みました。美味しかったです」と仰るので、「少なくてすみません!また持ってきます!」と、2学期始業式にお持ちすることをお約束しました。何なら家にあるリンゴジュース全部を持ってきて、机に並べ尽くして笑っていただこうと思っていたのでした。
こうして書いていても涙が溢れてきます。あれほどの方ですから、関わったすべての人それぞれが自分だけの思い出をお持ちなのだと思います。
高3の皆さんもたくさん可愛がっていただきました。注いでいただいた愛の深さの分だけその喪失感は大きく、でも前へ進まなきゃと自分を奮い立たせているところかなと思います。むしろ私のことを心配している人も多いかもしれません。「Ⅿ先生になりたい」と公言していた私を。永遠になれるはずがない。そもそも器が違います。でも、本当になりたかったのです、Ⅿ先生に。
正直に言うと皆さんの予想通りメソメソしてます。そんな中、授業を引き受けてくださる先生方がこんなにも早く決まり授業をしていただけること、Ⅿ先生の御人徳です。そして、同じように哀しみの淵で心を痛めていらっしゃる中で、大変なご決断をしてくださった先生方の御心に涙が出る思いでした。人生の先輩として、こういう人になりたいと思いました。
「こういう人になりたい」
人生においてそのようなひとに出会えるのは、なんて幸せなことなのでしょう。すべてはⅯ先生と雲雀丘が結んでくれた御縁です。
生徒のため、そして若年の教師のため、本物の学問と本物の優しさを教えてくださった先生。いくら感謝しても足りません。学ぶことで広がる世界の豊かさ、そして楽しさをどれだけ「実感」を持って伝えられるか。永遠に追いつくことはできませんが、諦めずにずっと追い求めていきます。
64期生の皆さん、試練の1年です。こんな試練があろうかというほどの。でも皆さんには教えていただいた沢山の宝物と、先生が結んでくださった素晴らしい御縁があります。そして先生はずっと皆さんの心の中で見守り、励ましてくださっています。
見ていてくれる人がいると思えるから、私たちは怖くても前へ進んで行けるのです。
幼稚園のお見送りだってそうだった。見てくれていることを何度も振り返り確かめて、最後には振り返らずに進んで行けた。どこかで必ず見てくれている、そう思って振り返らず進んでいきましょう。
やっぱりまだ涙が出てきてしまいます。
空から「あまち!」という声が聞こえてきました。