高3学年通信(64期生)
咲き誇れ64期
2022/03/23
64期生の皆さん、お久しぶりです。
皆さんの卒業式から3週間が経ちました。元気にしていますか?
今日は令和3年度修了式でした。
久しぶりに校庭で行われた修了式。外に出ると正面の枝垂れ桜が花を咲かせ始めていました。
満開まではまだ1週間くらいかかるでしょうか。
高校1年生の現代文で読んだ『言葉の力』を覚えていますか?
桜の開花が近づくと思い出す、印象的なお話があります。
美しい桜色に染まった糸で織った着物。
「そのピンクは、淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、華やかでしかも深く落ち着いている色だった。その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。」
実はこの色は、桜の皮から取り出したものであり、しかもこの桜色は桜の花が咲く直前の頃に限って、山の桜の皮から取り出せるのだという、染色家の志村ふくみさんのお話が引用されていました。
花びらのピンクは幹の、樹皮の、樹液のピンクであり、桜は全身で春のピンクに色づいて、花びらはそのピンクがほんの尖端だけ姿をあらわしたものなのだと。
文章全体の主旨は、これが言葉の世界と同じで、一語一語は桜の花びら一枚一枚のようなもの、花びらの背後に大きな幹があるように、ささやかな言葉の背後にその人の人間全体が反映されるという話でした。
今、咲き始めた桜の花を見て64期生の皆さんを思い出しています。
皆さんはこの春、様々な形で花を咲かせました。
それは皆さんの高校生活、人生のすべてが咲かせた花です。
上手くいったことも、失敗したことも、頑張ったことも、頑張れなかったことも、すべてが皆さんの色になり、旅立ちの花を咲かせました。
これからの人生もいろいろなことがあると思います。一年中咲いている花はありません。何があっても人生は続く。続いていく人生が自分の色を作り出します。いつかまた自分の色で花を咲かせてくださいね。
咲き誇れ、64期。
私たちはずっとずっと皆さんの幸せを祈り、応援しています。
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