中1学年だより(74期生)
親孝行の日に寄せて
2026/10/01
学生の頃の私は、非常な親不孝であったと思う。
小中学生のころの思い出といえば、ほとんどが母親に怒られたもの。楽しかったことよりも、怒られたことばかりを思い出す。もちろんそれは、僕が怒られるようなことばかりをしていたからで。その記憶もちゃんとある。
高校生になって、ようやく少しまともになった。それでもまだまだ未熟で愚かで、大学受験は成功とは言い難かったし、進学した大学では、人生を大きく変えるような失敗をした。親不孝ばかりをして、怒られ続けた22年間だった。
しかし、この22年という期間、めげずに母親が怒ってくれたから、今があるのかもしれない。
「教える」という立場になって長いが、「怒る」のは難しい。少なくとも私は、突発的に「怒る」ことが不得手だ。とてもエネルギーを消耗する。自分の子なら変わるのかもしれないが、大きなエネルギーを使うことには変わらないだろう。
20代後半になってようやく、それまでできなかったことができるようになってきた。30代になってようやく、複数の物事を同時並行で進めていけるようになった。これは、自分で「そうなりたい」と願ったこともあるが、それまでの母の怒りがようやく少し実を結んだ結果なのではないか、と最近思う。
父親は、寡黙な人であった。今思い返しても、あまり深い話をした記憶はない。私が18の頃に病気で亡くなってしまったから、一緒にお酒を飲んだこともない。
しかし、父親からも、影響は間違いなく受けている。
父親は、子どもの私にとって、「何でも知っている人」だった。博識で、よく本を読む人だった。「これだけいろんなことを知っている人になりたい」、子ども心にそう思っていたことを覚えている。その気持ちがなければ、この仕事に行き着かなかったかもしれない。
後悔は、父親とゆっくり大人の話ができぬまま、お別れとなってしまったこと。仕方ないのだけれど、この後悔は今でも消えない。だから、今の学生たちには、「しっかり保護者と話しておきなさい」と言いたい。
先日、祖父が亡くなった。90歳だった。しかし私は、父親の時の反省から、ここ10年ほどはずっと、できる限り祖父母に会い、後悔しないようにたくさん話してきた。だから、悔いはない。残った母親にもこれを続けていければ、と思っている。
これを読んでいる74期生たちへ。いつでも仲良く、とはなかなかいかないかもしれないけれど、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんと、会える時にちゃんと会って、たくさん話しておくこと。迷惑をかけることがあっても、長い目で恩返ししていくこと。そういうことを考えて、毎日を過ごすこと。
学校ブログ
- トップページ
- 中1学年だより(74期生)
- 親孝行の日に寄せて
