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常務理事便り
2019年09月02日
往復書簡⑩「陰徳」大森先生へ
M先生のお話、大変心を動かされました。そして大森先生ご自身も二次試験の当日はひそかに掃除をすることを退職の年、つまり今年の春まで続けられたのですね。頭が下がります。
こんなエピソードがあります。学園創立者、鳥井信治郎が3歳か4歳のころ母親こまに連れられて大阪の天神さんにお参りに行きます。社前の橋の上には大勢のものもらいが居て、喜捨を乞うています。彼らはお金をもらうと大げさに面白くお礼の仕草をするのです。お金をこまにねだった信治郎は、ものもらいの一人にお金を渡しこまのもとに戻ろうしたとき、後ろを振り返りました。その時こまは信治郎の手を荒々しく引いて決して振り返ることを許しませんでした。
こまのこの態度には、人に施しをする者は感謝を期待してはならないという厳粛な教訓があったのです。サントリーではこれを「陰徳」と呼んでいました。サントリーではいろいろな社会貢献事業や、災害時の寄付などを行っていますがこの精神は貫かれていたように思います。
さて往復書簡⑦で私が「運を招くすべはいろいろある。」と書いたところ、どんなすべがありますか、という問い合わせがありました。それは「嘘はつかない、正直な毎日」がまず筆頭に挙げられます。あとは「人に親切、手助けをする」「利他、自責の念」。大森先生も言われていた「人を羨まない、妬まない、恨まない」もあるでしょう。雲雀が一生懸命取り組んでいる「あいさつ、笑顔」。「親孝行、感謝の気持ち」も大切です。結局、このような心、気持ちが積み重なって波動となって運を引き寄せるのだと私は考えています。
月が替わって9月となり、この往復書簡もいよいよ終盤を迎えました。大森先生と言えばできなかった生徒を見事難関大学に進学させたということで有名です。このブログは先生方もお読みと思いますのでぜひその秘訣をお聞かせ願えればと思います。
なおこのブログは9月2日に書いていますが、今日、サントリーイントラネットのトップに「SUNTORY 佐治会長のホームページ」として雲雀丘学園のことが掲載されています。このイントラネットはサントリー約4万の従業員(海外含む)が注目していますがその中で佐治会長は、雲雀丘学園には今もなお脈々と信治郎の志が生き続けていると語られています。まことに有り難いことであり改めて責任を痛感しています。
(2019.9.2)