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常務理事便り

2025年04月17日
Vol4 聖地 「武徳殿」ー2分間にかけるー
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
京都、平安神宮の北西隣に大きな和風建築の甍がそびえています。大日本武徳会の演武場、本部道場として、1899年(明治32年)に竣工した「武徳殿」です。明治初期は西洋化、近代化の波に流され、旧来からの伝統的な武道は軽んじられ(例えば、廃刀令等)、剣道も衰退の憂き目にあいましたが、西南の役を境に見直しの機運が興り、伝統武道の振興、武道による人間的涵養を図ることを目的に1895年(明治28年)大日本武徳会が設立されました。そして、この場所に「武徳殿」が建てられ武術教員養成所(のちに、武道専門学校)が開設され、剣術、柔術、弓術(のちに剣道、柔道、弓道)の振興が図られたのです。このような来歴から「武徳殿」は今では剣道の聖地として剣道家の憧れの舞台となりました。



その「武徳殿」を舞台に5月2日から5日にかけて、剣道を中心に約3000名の高段者が全国津々浦々から集まり、1年間の修行の成果を披露します。剣道では(錬士六段~範士八段)同じ段位の方と1試合のみ、1分半~2分の演武を行います。1年間の修行の成果をわずかな時間の中に凝縮させるのです。成果を十分に表現できる方もいらっしゃれば、そうでない方もいらっしゃいます。そうでない方の方がはるかに多いと思いますが、その反省がまた、1年間の修行の糧になります。終わりのない修行が続くのです。
この全日本剣道演武大会は(通称「京都大会」)剣道界では春の一大イベントです。
私も最終日の5月5日に演武させていただきます。審判が付いて勝敗を争う形式ですが、勝敗以上に立ち居振る舞い、態度、打突の機会や技の練度、そして心の練度が求められます。段位にふさわしい立合い(演武)ができるよう精進を続けています。