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常務理事便り
2020年08月28日
「二つの壁を乗り越えたい」
連日の猛暑ですが朝夕に肌に当たる風には暑さの峠は越えた感じがします。学園では毎年お盆明けのこの時期に「中期経営計画会議」(中計)を開催し、学園長、校長、園長はそれぞれの校種の現状を踏まえ、どう運営していくかを発表、みんなで協議します。会場の「告天舎」の庭には赤紫の百日紅が夏の青空を背に心地よく揺らぎ、思わず写真を撮りました。
今年の中計はコロナ禍での教育環境、少子化や不況下に伴う学校経営、自己肯定感を持つ子供育成について意見が交わされました。私は昨年の中計で提案し、以降プロジェクトチームを立ち上げ論議を進めてきた「幼・小連携のまとめ」「小・中連絡入試の改革案」の二つの答申を発表しました。
(答申案) 中計のプログラム
幼稚園と小学校、小学校と中高には同じ学園にありながら進学には入学試験という二つの壁があります。この壁が園児や児童はもとより、保護者や先生の過度のストレスになってはいないか、そして受験の努力が本人の成長に結びついているかという課題があります。受験勉強が合格のためのスキルを獲得するものに終わっては無駄な努力となります。その努力は進学後の成長や、社会に出てからの活躍の原動力になるものに振り向けられるべきと思います。幼稚園では目標とする幼稚園教育の実現に向け、すでに現場での教育内容の改革が始まろうとしていますし、受け入れる小学校も今年度から面接重視の受験に変更しました。
こういった考えから上記の答申は出されていますが、観点を変えるなら、子供の成長を目の前の成果に求めず、将来を生き抜く力と人間力を兼ね備えた子どもを育てるという長期の視点に立つというものです。これには先生方の辛抱強い地道な取り組みと、保護者の皆様の学園教育への理解・協力が欠かせません。
また答申が出てもすぐに変更できるものでもありません。目指す方向を確認・共有できれば、その方向に向かってひるまず日々改革を進めていくことになります。
学園創立70周年の今年、中期経営計画会議のこの答申が修正されつつも真夏の夢に終わらず実現に向かって進むことを願っています。
(2020.8.28)