学園ブログ

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常務理事便り

2024年04月23日

Vol 4 親子関係と自立

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 先日、久しぶりに母校で剣道の稽古を行いました。稽古が終了し、現役の教授陣との雑談の中で、ついにこの大学に「保護者会」ができたという話題になりました。そこから話は発展し、今や大学入学式、卒業式に保護者の同伴は当然のこと、それどころか、企業の入社式にも親の臨席が許可されたり、入社説明会において保護者向け説明会も実施するところがあるなど、この時に車座で話した昭和世代にとっては驚きの話ばかりでした。
 その心はというと、大学生や社会人は一人前の大人なのだからそこにどうして親の判断や親への配慮が必要なのか。大学生ともなれば、自立した個人としてふるまうべきでそうした場に保護者会が存在することは自らの自立を否定することになり、信じがたいこと、親子の関係が大きく変わってしまっているが、いつになったら親離れ、子離れができるのだろうか、社会全体が過保護化し、弱弱しい社会になっていないか、という昭和の時代に大人になった親父たちの嘆きでした。少なくともこの時代には学生たちも親からは独立した存在としてふるまい、公の場での親の介在を意識して避けてきたように思います。そこからすると親子ともに幼くなってしまっているのではないかということでした。

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 保護者や大学、企業側にはそれなりの理由が存在するでしょう。学費を出している親として子供がどのように過ごしているかを知るのは当然のこと、大学としては保護者にも開かれた手厚い指導を実施していることを訴求して、「目の行き届いた大学」として志願者増につなげる、企業としては人口減で人材獲得が年々厳しくなる中、保護者にも会社を知っていただき、安心してもらうことが志願の動機にもつながるということでしょうか。
 鳥井信治郎初代理事長は丁稚奉公を終え、20歳にして鳥井商店を立ち上げました。資金援助はあったにせよ、独立し、自らの判断で店を切り盛りし、今のサントリー社の礎を築きました。
 子どもの自立についてはいろいろなご意見があり正解はないのでしょうが、自立を促す親の在り方についてじっくりと考えてみることが必要ではないかと思った親父たちの井戸端会議でした。