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親孝行・やってみなはれ
2018年02月02日
歌を歌うように
「名簿を見ずに,子どもの名前を呼べるってすごいですよね。」
時々そのようなお褒めの言葉をいただきます。小学校の卒業式は古き良き伝統を引き継ぎ,講堂の壇上から客席に座る子どもたちの名前を一人ひとり読みあげていきます。担任としては緊張する瞬間です。
「緊張すると言葉が出なくなるのはあなたの悪い癖ね。」
学齢期の私は,母から何度となくこの言葉を言われました。また,
「でも,歌を歌うときは緊張しても言葉がすらすらでるから不思議よね。」
大きな声で歌を歌う子だったので,即席合唱団のメンバーに何度となく選ばれた私に,母はそのようにも言いました。
卒業式,緊張すると名簿を見ていても言葉が発せられないのが,本当のところです。ただ,歌を歌うように,子どもの名前を呼ぶことができれば素敵だなと思うことも,また事実です。
4月初めから1年かけて,子どもの名前を覚え,そこにリズムをつけ,練習をします。本番,子どもたちの顔を見ながら歌を歌えることに感謝をするとともに,喜びを感じ,68回生を送り出したいと思います。
(小学校教諭 藤川雅康)
学園長より一言・・・卒業式には卒業生の担任はクラスの児童の名前を壇上から呼名します。通常はどの先生も名簿を見て担任の36名の生徒の名を順に読み上げます。しかし藤川先生は名簿を見ません。そこにはお母さんから教えられた「歌を歌うように」という隠された秘密があったのですね。しかし私には、「大切に育ててきた子供の名前を晴れ舞台で空で言えないでどうする」という先生としての矜持があるように思えます。