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親孝行・やってみなはれ

2019年08月30日

心に残る母親の言葉。「布団もできたで!あとは合格や!」

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 私が学んだ大学は、4年間を寮で生活することになっていたので、各自布団の持ち込みが必要でした。母はせっかちで、高校3年生の夏、まだ受験を決めただけなのに「布団、用意せなあかん!」と言って、忙しい家事の合間に布団を縫ってくれました。そして、「さあ、布団もできたで!あとは合格だけや!絶対、合格してや!」とプレッシャーをかけて応援してくれたのでした。その母親の気持ちに応えることができ無事合格、大学の寮生活が始まると、『合格祈願布団』は新入生の中で一番のふかふかの布団でした。体育大学の寮生活は他の大学とは比べものにならない「日本一」と言っても過言でないくらい厳しい生活でした。しかし、苦しいことやつらいことなどがあっても、夜その布団にくるまり寝ると、自然と不安や疲れなどが癒やされたものでした。無事、卒業して教員になれたのも、この「布団」のおかげと感謝しています。

 また、こんなこともありました。私の息子が家を離れて大学生活をするときのことです。私たち夫婦はかなり心配していました。その様子を見て母が、「あんたの時も、お父ちゃん、お母ちゃんはどんだけ心配していたか!順送りやなぁー。やっと親の気持ちが分かってくれたか?」と一言。子を思う親の心があらためて分かったときでした。



 私は授業などで、『親孝行』について、子どものときは『元気に学校へ行ってくれて、元気に家に帰ってきてくれることが一番の親孝行』そして、大人になったら『親にしてもらったことを自分のこどもや周りの人に返すことが親孝行』と説いています。今は、思春期などで難しいかも知れませんが、大人になったら分かっていただけることでしょう。

 生徒の皆さん、元気な毎日を送って、自分の夢に向かって下さい。親が一番の応援者です。



(中学校・高等学校 保健体育科 剣道部顧問 大見 利之)