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親孝行・やってみなはれ

2020年06月05日

亡き父の言葉 

 父は私が30歳になってすぐに,突然他界しました。恥ずかしながら自分のしたいことに熱中し,親のことは目もくれずに過ごした20代でしたが,ふと,親の存在が気になり始めた頃でもありました。「さあ,さんざん好き勝手させてもらったのだから,これから少しは親孝行をしよう!」という気持ちが,遅ればせながらも少しは持てるようになってきた時期でもありました。後悔先に立たずとはよく言ったものです。非常に悔やんだことを思い出します。父に親孝行ができたのだろうか,と自問自答したときに思い出されたことがあります。父は離れて暮らす私が実家へ帰るたびに,「お前の顔を見ると,ほんとにほっとする。」と,いつもいつも言ってくれました。何気ないこの言葉に,私がただ存在するだけで,この親の役に立てているのかもしれない,というなんともいえぬあたたかな気持ちになったのでした。

 自分も二児の母になった今,わかることがあります。我が子が元気に,生き生きと過ごしてくれていることが,まず何よりの親孝行であったこと。父のこの言葉から親としての学びがあります。ついつい子育てをしていると,条件をつけてしまうことがあります。勉強を頑張ったら,いい子にしていたら,スポーツを頑張ったら・・・。そうではなく,我が子にもし,なにもなくても,無条件に,そのまま,あるがままの存在を,まず愛してあげなさいと。

 今日もそれらを胸に刻みながら,親孝行の学園で,たくさんの子どもたちと向きあいたいと思います。



(小学校 1年虹組担任 岩城 幸子)