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親孝行・やってみなはれ
2020年10月23日
言葉の力
私が大学生になる前に両親がくれたプレゼントがルイ・ヴィトンのパスケースでした。そのパスケースが包まれていた化粧箱には、一枚のメッセージカードが挟まれていました。
「人の痛みがわかる人間になってください」。普段あまり、というかほとんど「人生とは」とか「人とは」という話をしない家庭だったので、両親からのこの言葉がひどく新鮮に感じました。そういうことを考えられる年齢になったというのも相まって、そのときはじめて真剣に振り返りました。そして今でもふとこの言葉を思い出すたびに気持ちを改めます。ありふれた言葉です。たぶん私は今までに何度も誰かに言われています。しかし私の心にこれほどまでに残ったのは、自分を大切にしてくれる人からの言葉だったからです。自分のこれまでを知り、共に考え、支えてくれた人からの言葉だったからです。
今日発した私たちの言葉は誰にどう届いたのでしょうか。今すぐその答えを知ることはできませんが、それらは間違いなく誰かの力になり、誰かを救います。それが私たちにしかできない「支え合い」ではないのでしょうか。
(中学校・高等学校 英語科 高2F組担任 阪田 紘平)