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親孝行・やってみなはれ

2021年10月29日

人生を変えた出会い--「追悼施設と教育」

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 追悼施設と教育——大学で初めて履修したゼミの題名です。元来政治を学びたかったはずが教育学部に進学し,それなら教育をしっかり学ぼうと,「教育」とついた科目の中から何気なく選択したゼミです。受講生はたった5人。担当のY先生の研究室でコーヒーをお供に議論する,カフェのようなゼミでした。
 これが私の人生を変える出会いでした。災害や戦争などの記憶の伝承について深く考えたことで,ちっぽけな教育観は崩れ去りました。そして教育学の世界にもっと触れたくなり,Y先生の教育哲学ゼミに所属しました。このゼミの教授であるS先生からも教育研究の面白さを教わり,大学院に進学しました。S先生,Y先生,のちに着任されたH先生のご指導で進めた研究の経験は,昨年度の探究ゼミ「教育を考える」の原風景にもなりました。
 社会科教員として世界史を専門に掲げたのも,実は教育哲学との出会いが背景にあります。例えばその思想が生まれた背景や,その思想家が生きた時代背景を考える時,世界史の知識が役立つこともあります。教育哲学・思想の勉強を通して世界史の面白さに出会い直し,この面白さを何とか伝えたいというのが原点です。
 何気なく選択したあのゼミが,私の人生を変え,今に繋がるとても大切な出会いになりました。

 高校生のうちに色々な経験をしよう——4月の学年通信でそう書きました。引き続き,教科の学習,クラブ,探究,その他様々な機会に前向きに取り組んでください。少なくとも自分の世界は拡がり,また深まるでしょうし,もしかしたら面白いことが見つかるかもしれません。想像もしない未来に繋がることもあるでしょう。私がそんな出会いを得たように,みなさんにもその機会を提供できたらと日々模索中です。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 高1学年担任 社会科 鳥原 悠人)