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親孝行・やってみなはれ
2023年05月26日
思いを繋ぐ
中学生だったか高校生だったか。ある日私が人間関係のことで「○○嫌や。なんか苦手や」と愚痴を言った時に、母は「自分が誰かを嫌だと思えば、自分も誰かから嫌だと思われているよ。世の中は回っているからね」と言われました。あの時は「そうなんや」ぐらいだったと思います。
しかし、年齢を重ねるに連れて、その意味を考えるようになりました。そして今思うのは、「世の中は『えん(円、縁)』だ」ということです。良いことも悪いことも回っています。今ここにいるのは、いつかの繋がりだと思って、色々な人との出会いを大切にしたいです。
この時の母の言葉は何気ない一言だったかもしれません。だけど、自分の人生において中心になる言葉になりました。この母からもらった言葉を胸に日々過ごすことが、回り回って親孝行に繋がるのではないかと思います。物や言葉を直接送るだけが親孝行ではなく、このように「思いを繋ぐ」ことも親孝行になるはずです。
(雲雀丘学園中学校・高等学校 生徒部部長 国語科 常吉 貴彦)