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親孝行・やってみなはれ
2024年07月12日
教えてくれたこと
父は、勉強や進路のことについては、私に厳しく言うことはありませんでしたが、挨拶や返事をすること、時間を守ること、相手に対する態度など、対人関係に関しては、幼い頃からきちんとするように教えられてきました。それが家の外であっても、中であっても、きちんとできていなかった時には、厳しく叱られたことを覚えています。幼い頃は叱られていることを理不尽に感じて、細かく厳しい父に対して、不満に思っていたこともありました。
ある程度大きくなり、様々な人と関わるようになる中で、私が誰かに対する不満を漏らしたとき、父は私の味方をしませんでした。相手はそう思っていないかもしれない、捉え方が違ったのではないか、その時の伝え方はどうだったか、と別の視点から見て、話をしてくれました。話を聞いて共感してほしかった私としては、その反応にもやもやしていましたが、父は常に相手の立場に立って物事を考え、私の考えだけが全てではないことを教えてくれていたのだと働くようになって気づくことができました。成長し大人に近づいていくにつれて、父が教えてくれていたことの意味が分かるようになり、人間関係を築いていくうえで大切なことを全て教えてくれていたのだと理解しました。社会に出た今、厳しさの中に父の思いがあったのだと感謝の気持ちでいっぱいです。父の教えを生かしながら、この仕事と精一杯向き合っていくことが、一番の親孝行だと思っています。
(雲雀丘学園中山台幼稚園 年中担任 井手 明香)