学園ブログ
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親孝行・やってみなはれ
2024年09月27日
父のひと言
小学校高学年の頃、『魚釣り』がブームとなりました。私も釣り道具のカタログを手に入れ、一時、勉強そっちのけで見入っていました。子どもの私に高価な道具は買えません。そこで、安価な道具のセットに目星をつけ、ある日、父親に「これ、買っていい?」と相談しました。しばらくカタログを見て父親が言ったことは、
「もっと釣りのことを研究してから買いなさい」。
ドキッとすると同時に、恥ずかしくなりました。そのときの私がブームに乗りたいだけだと、父親は見透かしていたのです。たしかに、知識も無いまま道具を手にしたとして、何が釣れるというのでしょう。
それからは、釣りの本や雑誌を買っては読みふけりました。はい、もちろん、勉強そっちのけ。結局、私が最初に買った釣り道具は、近所の池でフナを釣るための竹の延べ竿。小学生のお小遣いで、おつりがくるほどのものでした。「釣りはフナに始まり、フナで終わる」と、本に書いてありましたから。
自分で選んだ竿と自分で作った仕掛けで体長12㎝のマブナを釣ったときの感動は、今も忘
れません。その感動を味わうよう仕向けてくれた父に、感謝しています。
(雲雀丘学園小学校 教頭 神吉 清視)