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親孝行・やってみなはれ

2025年01月10日

家族の風景

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私の両親は共に九州出身でいわゆる昭和スタイルの「九州の夫婦」だったと思います。
私からみると単なるわがままと思える父の行動をいつもまるっと受けとめる母、そうなるともちろん私は絶対的に母の味方になるわけで、父の言うことに母が返事をする前に割って入ります。でも結局母が折れて父の思いが通ることになります。それが我が家の家族の風景でした。
そんな父が晩年体調を崩し入院を繰り返していた時も母は毎日病院へ通っていました。私もすでに仕事に就いていたので週末には交代で様子を見にいくのですが、父の見舞いというよりは母の自由な時間の為だったかもしれません。父のことを献身的に支える母のために私は母が機嫌良く過ごせるようにしよう(母は自分の機嫌は自分で取れる人だったのですが。それは尊敬できる所のひとつです)と好きな美術館巡りや旅行へ連れ出しました。それも母から言い出すのではなく、私が父にうま~く話をして「たまには洋子と旅行に行ってきたら?」と持ちかけて貰うという。
九州男児といっても声高に物言うわけでもなく悪気もなかった父です、何かというと母の援軍となる私をみてさみしかっただろうと思います。親孝行足らずだったね、お父さん、ごめん!

(雲雀丘学園中学校・高等学校 図書司書 南竹 洋子)