「先生,ボク英語勉強するわ」
新任のころ,生徒を私の出身大学のオープンキャンパスに連れて行ったとき,帰りの車内で英語が苦手の男子生徒が口にした言葉だ。
オープンキャンパスでの大学側イベントが終わったあと,私の所属していた研究室に案内した。
工学部の研究室とはいっても,学生の机が並び,その周囲にコンピュータが取り囲む。
とくに”派手な実験設備”があるわけでもない。
同級生だった大学院生から大学生の生活を少し聞かせてもらう程度だった。
その男子生徒に「なぜ,英語を勉強しようと思ったの?」と尋ねると,彼はこう答えた。
「だって,机の上に会った本は全部英語だったもん」
確かに机上に並んでいた本は英語のものばかりだった。
散乱しているメモもほとんどが英語と数式。
壁のホワイトボードにも英語。
インターネットの画面も英語のサイト。
本棚は英文の学術雑誌ばかり。
彼にとって,英語の重要性に気づくのに十分すぎる環境だった。
さて,今回のサイエンスキャンプ。
参加した生徒たちは何を感じ取ったのだろうか?
そして,教室に戻って友人にどのような影響を与えてくれるのだろうか?
教師として楽しみで仕方がない。
その男子生徒にもその後,苦手な英語を勉強し国立大学工学部に進学した。
今回参加した生徒たちにはどのような将来が待っているのだろうか? (寿)
これで【Science Camp 現地リポート】を終了します。
ご覧いただきましてありがとうございました。
この Science Camp での研究内容については9月7,8日に実施される文化祭にて発表する予定です。
このたびの Science Camp では鳥取大学の教職員,学生の方々に大変お世話になりました。
生徒たちには忘れることのできない素晴らしい経験となりました。
感謝申し上げます。