感響プログラムの「森の民アイヌに倣う」に参加しました。
北海道にアイヌ民族がいるということは誰でも知っていますが、アイヌの実態について理解をしている人は非常に少ないのではないでしょうか。
本プログラムは、そのような人にぴったりの内容でした。
まず、ガイドさんに連れられて、山を探検しました。
アイヌは自然を、人間に多くの恵みをもたらし、人間にはかなわない強大な力を持つ「神」として崇めてきました。
山に入る時に、両手の掌を上に上げて祈りを唱えてから入るように教えてもらいました。
これは「自然を冒すようなことはしない」と神様に伝える意味があるそうです。
アイヌの方の自然に対する知識には驚かされるばかりでした。
傷ができたときにこの葉っぱを貼っておけば1日で治る、胃が痛い時にはこの木の皮を舐める、など私たちには想像もつかない知識が豊富です。
なかでも一番印象的だったのは、家です。
笹で作った家の中で白樺の木を燃やし、煙で満たします。
笹の屋根に獣肉を置けば燻製肉が出来上がります。
この肉は、その家の人間で全て食べることはせず、後から山に登ってくる人の食糧として少し置いておくそうです。
常に他との共生を考えながらアイヌ民族が生きてきたことがわかりました。
イタドリの笛を吹き、草笛で雌鹿の声を出しながら歩くのは楽しかったです。
悠久の大自然の恵みと奥深さを実感しました。
続いてアイヌの文化について学びました。
公民館の庭で、アイヌ式輪投げと弓で遊んだ後は、アイヌ料理を頂きました。
ハーブティーと「ルル」と呼ばれるお吸い物です。
野草と鮭が入ったこの汁は味付けは塩のみですが、非常に美味しかったです。
その後はアイヌの伝統的な弦楽器「トンコリ」の演奏を聞き、最後はみんなで歌って踊りました。
アイヌは文字を持たないため、口伝と踊りで意思疎通を図っていたそうです。
普段、踊りながら気持ちを伝えることがないので、最初は少し恥ずかしかったですが、だんだん楽しくなっていきました。
このプログラムではアイヌについてとてもたくさんのことを知ることが出来ました。
アイヌ文化は、日本人が忘れつつある「自然や他者との調和」を思い出させてくれました。