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部活動

科学部 きずきの森活動20190512

2019/05/13

科学

5月12日、きずきの森の保全活動に科学部として参加してきました。

参加者は中1~高1で11名。

天気も良く、絶好の作業日和です。

今回は、きずきの森内で新たに造成している池の作業をお手伝いさせていただきます。

この場所はもともとゴルフ場のウォーターハザードだった場所で、ゴルフ場が閉鎖された後は、ハリエンジュ(外来植物)によっておおわれていました。

きずきの森を保全しておられる「きずな会」の方々の地道な活動で、ハリエンジュが全て伐採され、この池が姿を現しました。ただ、長年放置されていたので周囲から様々な有機物が流入し、池はヘドロなどで浅く生物の少ない湿地状態になってしまっていました。

汗だくになりながら、力を合わせて泥を運び出します。

普段激しい運動をしない科学部員ですが、このような作業の時は大声で冗談を飛ばしながら、着々と作業を続けていきます。

昼過ぎまでの作業で、池の範囲も広がり、水深もずいぶんできたのではないでしょうか。

もちろん科学部としての活動ですので、生物調査も行います。

まずはじめに見つかったのがアカハライモリ。山間部やきれいな田園地帯では比較的多く見つけることができる生物ですが、きずな会の方でも「初めて見た」と仰っていたので、大きな発見だったのではないでしょうか。

しかも雌で卵を妊娠していたので、この場所で繁殖も行っている可能性もあります。

今後の観察の期待です。

こちらはサワガニです。日本固有種としては珍しい、一生を淡水で過ごすカニです。

このサワガニは両方の爪や複数の足が損失しており、何かに襲われたことがうかがえます。

今回の作業中にはこのサワガニを襲うような生物は発見できなかったので、アオサギなどの鳥類に襲われたのかもしれません。

以前ハリエンジュなどに覆われていたときは、上空からの敵はほぼ現れなかったはずですが、ハリエンジュが除去されたことによって、鳥類からは狙われやすい環境になったのかもしれません。

このように環境の変化によって、その場所に住んでいる生物相が大きく変化することはよく知られています。

今回の池作業が、どのように生物たちの生活に影響するのか、興味深く見守って行きたいと思います。

その他に多く発見された生物としては、トンボの幼虫、ヤゴ類が上げられます。写真に写っているのはオニヤンマのヤゴ。

市街地などでは滅多に見ることのできない、日本最大のトンボです。他のヤンマ類とは異なり、小さな池などに幼虫は生息するので、今回のきずきの森の池のように「環境の保たれた水域」はオニヤンマにとってはとても重要な環境だと思われます。成虫になるまでに5年かかるとも言われますので、きちんとこの環境を守っていかなければなりません。

少し見にくいですが、写真中心部分でシオカラトンボの雌が産卵を行っています。その周りを雄がパトロールして守っている様子も観察できました。

トンボたちにとっては、この池はとても良い子育て場所なのかもしれません。


これからも定期的にきずきの森での作業・調査を行い、その生物相の変化を明らかにしていきたいと思います。

きずな会の方々には大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

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