進路の部屋
選考方法を知ろう3ー総合型選抜①ー
2020/05/25
進路説明会が実施されましたが、高校3年生だけではなく、他の学年の皆さんにも関心を持って頂けたらと思います。学園生活を送る際に、色々な体験をし、大学への進学においてどのような選抜試験があるのかを視野に入れておくと、準備がしっかりできます。今日は総合型選抜についてお伝えします。
[総合型選抜に求められること]
これまでに紹介した体験記では、卒業生たちは、一般入試、AO入試、推薦入試など様々な選考で合格してきました。これまで紹介してきたAO入試は、2021年入試から、「総合型選抜入試」と名称が変わります。AO入試方式の選考は、2000年頃から急速に拡大し、現在では私立大学・短期大学の8割が実施しています。大学は受験生の提出するエントリーシートをもとに面接を繰り返し、十分な時間をかけて受験生の意欲と学科の適性などを判断していきます。大学によっては小論文やプレゼンテーション、事前の提出課題などを課すこともありますが、その多くが評定平均値を不要としているために、推薦入試や一般入試に比べて受けやすいと感じる受験生もいたようです。しかし、今年度より始まる総合型選抜では、出願書類に加えて小論文や口頭試問、共通テストなどの評価方法を導入することが必須となっていて、今後は学力を重視した内容へ転換が図られると言われています。「学力の3要素」(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)が評価され、学力検査が課されるとともに、提出物が多岐にわたる場合もあり時間がかかることも多いため、安易にこの総合型選抜に飛びつくことは危険です。また、一般的に9月以降に本格化し、12月上旬までに結果のでる入試であるため、この方式を考える受験生は早期に志望校を決定しなければなりません。一方、準備を整えている受験生にとっては、一般入試以外にチャンスがあるということになります。
もう少し細かくこれまでのAO入試を見てみると、6月から8月にかけてオープンキャンパスや説明会・相談会に参加し、7月から11月にかけてエントリーしたり面接を受けたりするなどの出願・1次選考(書類審査)があることが一般的で、9月から12月にかけて2次選考、合格発表等が順次行われることがこれまで一般的でした。名称は変わりますが、総合型選抜においても、受験生は早期に第一志望校を決め、その入試内容を把握し、対策を早期に練る必要がありそうです。