進路の部屋
「自分」で勝負する~受験体験記➆
2022/08/18
2学期になると大学受験のための準備が本格的に始まります。今日は特に高1・高2の皆さんに読んでもらいたい体験記(文理探究コース)を紹介します。
近年増えている総合型選抜では、皆さん自身の「体験」が必要です。本校には皆さんの幅広い学びを支える、探究プログラム・探究ゼミがあります。2学期以降もアンテナを張って、積極的にチャレンジしてくださいね。
また総合型選抜での出願を考えている高3の皆さん。2学期の忙しさが目に浮かぶ文章で、少し怖気づいてしまいそうですが、自分のアピールポイントを信じて、とにかく「自分は自分」と思って頑張ることの大切さを教えてくれる体験記です。
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進学先;大阪大学文学部 (総合型選抜)
その他の合格校;同志社大学 他
私は総合型選抜制度を利用し、大阪大学文学部に合格しました。総合型選抜は書類と小論文、面接、そして共通テストの点数で合否が判定されます。私が大阪大学の文学部を志望した理由は、演劇学を学ぶことができるからです。また地元の大学だったので大阪大学へ強い憧れがありました。高1の時に、この入試制度を意識し始め、積極的に探究活動や部活動に励みました。高3の夏休みから提出する志望理由書の準備、その他持っている資格や、やってきた活動をまとめました。11月頃に提出した書類審査(第一次選考)がなされます。
小論文と面接は共通テスト前の12月に行われるため、周りが本格的に共通テストの勉強をしているなか、一人、小論文や面接の対策、書類の準備をすることには焦りを感じました。しかし、部活を一生懸命に取り組んだこと、探究活動や英検の勉強など頑張ったことを無駄にしたくないと思い、周りは周り、自分は自分、と割り切って対策に集中しました。
無事に第一次選考に合格し、大学へ小論文と面接を受けに行きました。たくさんの対策をしたのにも関わらず、本番では手ごたえを感じることができず、悔しくて泣きながら家に帰りましたが、共通テストはその後に迫っています。なんとか気持ちを切り替え、勉強に励みました。
共通テストの勉強、一般入試の勉強はもちろん、書類の準備や小論文、面接の対策にも取り組む必要がある、総合型選抜は非常に大変な入試形態です。それでも、志望校を二回受験する機会が得られること、自分が今まで頑張ってきたことや入学したい意志を直接大学にアピールできる点は魅力的です。合格した時には、私が今までやってきたことが評価されたと感じて、とても嬉しかったです。皆さんには、リスクをしっかりと把握した上で、自分に合った入試形態を選んでほしいと思います。また、雲雀丘学園では様々な探究活動ができるので、少しでも興味があれば、積極的に参加してもらいたいです。総合型選抜でアピールできる材料になるだけでなく、自分の進路を考える良いきっかけになると思います。
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面接で試験官が自らの演劇論を話して止まらなくなったと聞いて、「これは合格だろう」と思いました。大学の先生が自分の専門分野の話をしたくなったのは、彼女が話す相手として認められたからです。もちろん共通テストの点数も重要ですが、それ以上に、高校生活を通して身につけてきたものを直接アピールできる総合型選抜は、彼女にピッタリだったと思います。
高2の現代文の授業で学習した『バックストローク』という小説の、まとめ課題として提出してもらった文章の「アイデンティティ」について書いた一節が印象に残っています。
「正直、自分とは何かを考えることは気分の良いものではない。自分はもしかしたら何もないかもしれないという考えがいつも浮かんで、その瞬間、とてつもなく不安になる。」
受験を通して自分を見つめていく中で、何度もこの不安と向き合ったことと思います。その過程があったからこそ、面接で語る言葉に嘘がなかったのでしょう。大学受験って本当に人を成長させます。