進路の部屋
本当にすごい人~受験体験記⑬~
2023/03/10
このブログでは、昨年3月に卒業した64期生の受験体験記を12回にわたって掲載してきました。卒業生が寄せてくれた体験記は他に20編以上あり、在校生はそのすべてを「でんしんろ」で読むことができます。
こちらには掲載しなかった体験記の中で、他の体験記と一味違って、とても印象に残っているものがあります。
今日はその一部を紹介します。
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受験を通して感じたことですが、それは大学受験は厳しいということです。僕は前期で京大理学部を受けて不合格で、後期で神大理学部に滑り込みました。身の回りの友達でも、第1志望に合格したのは半分もいなかったです。ですが、ほかの合格体験記を書いた人たちはおそらく第1志望に合格した人が多いと思います。学校も不合格の実績は発表しないですし、受験生は自分に都合の良い情報にしか目が行かないことが多いので、成功した人が多いように感じますが、自分が1番行きたいと思う大学に合格した人は本当にすごいのだと受験を終えて感じました。
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この生徒は「自分が1番行きたいと思う大学に合格した人は本当にすごいのだ」と書いています。
でも、彼だって本当にすごかったんです。学力、精神力、体力、学習姿勢、日頃の行いや人柄も含めて、きっと合格するだろうと、長年受験指導に携わってきた先生方が皆、太鼓判を押していた生徒でした。
実際、後期試験まで勉強を続け、見事合格を勝ち取ったのは客観的に見ても本当にすごいのです。
ですが、彼の「本当のすごさ」は、彼自身が身をもって実感した大学受験の厳しさを、自分を否定したり卑下したりせず、他者を讃えながら振り返っているところに表れていると思います。
毎年この時期に思うことは、合格ラインの周辺にいる受験生たちにいったい何の違いが、どれだけの差があるのだろうか、ということです。本当に「その日の調子」のほんのわずかな違い、それだけなのではないかと…。
チャレンジし続けた皆さんは本当にすごかったのです。だから本当は、結果に関わらず、この学びの日々が価値あるものであったと思える人こそが、本当にすごいのだと思います。
中期、後期試験にチャレンジする切符を持っている皆さん、これまで積み重ねてきた努力を信じて、思い切りぶつかってきてください!