卒業生~母校は母港になる
No.45(59期)ゲームに責任を、仕事に遊びを
2022/10/03
皆様初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。
中高59期の山下晴史と申します。
先日学園に伺った際、教頭(元担任)と入試広報部長(元顧問)から是非とも書いてくれとお誘い頂いたので、こちらに寄稿することになりました。
さて私は現在(株)コナミアミューズメントにてゲームプログラマーとして働いています。
この会社で働くことは高校の頃からの夢だったので、今は最高の形で夢が叶ったと言えます。
プログラマーの仕事は世間ではブラックな環境と思われることもありますが、私の場合はそうでもなく、残業はほどほどに土日祝休みで割と気楽にやらせてもらってます。
職場の関係で東京での初めての一人暮らしですが、自炊をしたり運動をしたり、健康に気を付けて過ごしていますので旧友の皆さんはご安心ください。
ゲームプログラマーはゲーム制作の仕事の中でも比較的なりやすい職種だ。
高校の頃はこんな浅い考えで目指していた私ですが、技術的なスキルだけの仕事ではないと最近考えるようになりました。
OBブログなら現役が読むかもしれないと思い、少しでも役に立つならという思いも込め、今の仕事での自分の考えを書こうと思います。
先日学園に伺った際、最近のカリキュラムについて伺い、情報の授業にプログラミングがあると伺いました。
その際に、プログラミングを仕事にすることはどうなのかと質問された私は「責任あるパズルを解くようなもの」と答えました。
ほとんどその場の思いつきで答えた言葉でしたが、なんだかしっくりくる言葉です。
プログラムはたとえどんな高度なものでも、極限まで細かくすれば3つの処理の組み合わせです。(実際には先駆者のコードとかツールとかも全然使うのでそこまで細かくならないですが。)
操作方法は限られていて、決められた条件を満たす。なんだかそういうパズルのように思えませんか。
私はプログラミングが楽しいと感じる人間ですが、パズルゲームが好きなのも理由の一つかもしれません。
技術を覚えるよりも作業自体を楽しめる人は向いてそうです。
ゲームのように楽しいプログラミング。しかしそれを仕事にするとなると、当然そこには責任が発生します。
一度任されたら、締め切りや要件など細かく条件が決められ、ゲームのように「難しいからやーめた」とはできず、必ず解答する必要があります。
この辺りがただのゲームとの違いで、それこそが仕事であるとも言えます。
プログラミングを仕事にする為には、この部分をどう感じるかも大事だと思います。
ちょっとした縛りプレイのように感じるくらいのメンタルだと良し。
ここまではプログラマーの「責任あるパズル」です。
しかし”ゲーム”プログラマーにはまだもう一段階、縛りが課されます。
それは「そのゲームは楽しいか?」を考えることです。
ゲームとは遊んでいて楽しさを与えるものであるべきです。
そのためにはユーザーの不快感を少しでもなくす必要があります。
当然大まかな部分はプロデューサーやプランナーが調整しますが、その後はチーム全員でやりたいことを自由に言い合います。
変な話ですが、仕事なのに「自分が楽しいからこうしよう」という意見が通せるのです。
自分たちが楽しくないなら仕事の意義がなくなりますから。
仕事に遊び心を加える場合もありますが、遊び心が必要不可欠なのはゲーム制作ならではのポイントかもしれません。
自らがゲーム好きであることも必要なスキルです。
私は現在、ありがたいことに自分の最も好きなジャンルである音楽ゲームの制作に関わらせていただいています。
自分の作っているゲームが好きで、もっと楽しいものにするためにより難しいコードを作る。
ゲームプログラマー冥利に尽きる日々でとても楽しく過ごしています。
「ゲームに責任を、仕事に遊びを」
このタイトルには、ゲームプログラマーとしての今の生活の全てが入っていると思います。
~終わりに~
結構書いてしまいました。私自身驚いています。
技術的な事は一つも無かったですが、まだまだ若手なので至らない部分しかないということで一つ許してください。
しかしゲームやプログラミングを仕事にするなら必要になるスキルだと思います。
なんだか自分の考えが思ったよりも文章にできてほっとしています。
きっかけを与えてくださった冒頭のお二人には感謝します。
そして急な訪問に関わらず、対応してくださった先生方もありがとうございました。
また今回の訪問で会えなかった先生方も含め、雲雀丘学園で生活した6年間で出会った人たちとの交流は今も自分の人生の支えになっています。
母校は母港になる
また機会があれば寄港(寄稿)させて頂きます。
山下晴史(2017年卒、59期)
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