卒業生~母校は母港になる
No.81(55期)高志・自律・努力
2023/11/16
中学高校の6年間、雲雀丘学園でお世話になりました、55期の新酒芳斗です。兄2人と従兄も雲雀丘学園にお世話になりました。
在学中は早川という苗字でしたが、中学2年の時、片想いの恋で終わった同じく55期で新酒美央さんと22歳の時に結婚し、婿養子になり苗字が新酒になりました。
卒業後は関西学院大学 商学部に進学し、20歳の時に公認会計士試験に合格、その後、大学3年から大手監査法人に勤め始め、コンサルティング会社、Tax Master最多10年連続受賞の会計事務所を経て25歳の時に独立開業いたしました。
税理士法人アピロ・株式会社アピロという組織の代表と、その他に一般社団法人中小企業助け隊の理事と芦屋相続終活センターの代表税理士をしており、2歳半の娘の父もしております。
雲雀丘学園には数え切れない程の思い出があり、間違いなく今の自分があるは雲雀丘学園のおかげです。
どのような学生生活を送っていたかを思い返すと、一言で表現すると「よく頑張った」と思いました。
具体的には、6年間テニス部に所属し、「創部以来、過去一度達成した最高成績である、秋と春の団体戦で5位をとること」を目標に部活動に精を出し、授業では「6年間体育委員をして、特に持久走で学年1位になること」を目標に日々学校内外問わず走り込みやトレーニングをしておりました。
後は何といっても、「中高無遅刻・無欠席・無早退皆勤賞を受賞すること」を目標に6年間過ごしていました。
大人になった今でも、授業中に何気なく黒板の上を見れば常に見えていた、「高志・自律・努力」の僕の生き方の1つになっています。
高い志をもって、自分を律して、努力できた経験が人生の礎となっています。
大学入試や、会計士試験、独立起業や経営してく中での課題解決等、これまでの歩みの中で、「過去全力を出して頑張っていた自分」がいることで、「あの頃の自分に負けてたまるか」という形で自分の中での比較軸が常に自分自身でい続けられる大きな糧になっていますし、「大丈夫。自分はあれだけ努力できるのだから」と、大きな自信や高い自己肯定感を持つことにも繫がり、それがどんどん強くなり良い循環になっています。
これからの将来、何か新しいことを始めたり、心折れそうになったり、大きな失敗したり、立ち直れなくなったり…いろんな場面で必ず「頑張っていた頃の自分」は自分の心の支えになると思っています。
在学生には、勉強でも部活でも恋愛でも課外活動でも、どんなことでも小さなことでもいいので、全力で頑張った経験を作っていただきたいと思っています。
そしていつか、困難な場面に遭遇した時、「頑張っていた頃の自分」を思い出して、前向きに頑張っていただきたいと思います。
ただ残念ながら、言うまでもなく、頑張るだけでは必ずしも成長や成果に繋がるわけではないと思います。
部活動を通して、「必死で努力しているのに、結果が思っている以上に出ない」という経験を通して痛感できたおかげで、早くに気付いた事があります。
それは、成長できる人と、そうでない人の差は、「”体験”を”経験”にまで昇華させることができるか否か」だと強く感じました。
「体験」を「経験」にまで昇華させるには、体験したこと、特に失敗・成功したことを反省して、どこが問題で失敗したのか、なぜ、上手くいったのかを熟考し、次のアクションに繋げそれを繰り返していく必要があるかと思います。
雲雀丘学園での学生生活を通して、失敗も成功も科学して、しっかりと次の自分に繋げるという事を無意識にできるようになったと感じています。
『高み向かって努力を続けることは、決して無駄ではない。今は無駄が多くて徒労のように見えるかもしれないが、少しずつ頂点へと進んでいるのは確かなのだ。今日はまだ到達にはほど遠いだろうが、明日にはもっと高みへと近づくための力が、今日鍛えられているのだ。』
僕の好きな言葉の一つである、ドイツの哲学者ニーチェの言葉であり、何かに行き詰まった時に思い出すようにしています。
僕は、努力を続けるのは昨日でもなく明日でもなく、常に今日であり、夢や目標へのチャンスが訪れた時、それを両手でガッチリと掴んで絶対に離さないためには、今日できることを決して明日にまで延ばさない意識が大事だと思っています。
何年も費やして諦める人もいる中で、公認会計士試験に1年半で一発合格する事ができました。
試験勉強時代からも社会に出てからも、怠ける人も頑張る人も多く見てきました。
でも、なぜ頑張っているのに結果を掴む事ができる人が少ないのかを考えました。
その答えが「あと少し」なのかなと思います。
今まで頑張って得たチャンスをないがしろにしてしまう人は一定数いるかと思います。
世の中は、テストの点数のように比例した評価は殆ど無く、どっちかというと免許のテストのように90点で合格、89点は不合格というように、あと1点の差で、0か100かを区別される方が圧倒的に多いではないでしょうか。
80点までは殆どの人が頑張ります。でも、あと1点の「あと少し」ずつの積み重ねをおろそかにしてしまいます。
例えをあげると、「テストや試験の当日の朝のコンディションを整える努力をしない。」や、ビジネスで言うと、一生懸命にお店を出す。一生懸命に料理を開発する。一生懸命にレシピを作る。でも、仕込みで手を抜く。自分が手を抜かないでもスタッフが見えない所で手を抜く。その確認を怠る。接客で、「飲み物も一緒にいかがですか?」と聞かない。居酒屋ならお通しで手を抜く。営業なら身だしなみやお相手の事前リサーチを欠かさない等。
本当に小さなあと少しの小さな所で、店舗の赤字と黒字、成約するかどうか、引いては成功するかどうか、大きく別れるのが現実だと思います。
その「あと少し」で気を緩めてしまうのか、徹底するのか。この差が、免許のテストで言う89点と90点の差だと思います。
「そこまでやるか。」って人に、「そこまでやらない人」は勝てないと考えています。「あと少し」。ここが全ての差という事を自覚して、その「あと少し」を積み重ねて、いつかやって来るチャンスをものにするため、日々精進していきたいと思います。
雲雀丘学園で確立できた「最高に頑張った自分」をベースとして、卒業後の歩みの中で1番自分が得たものは、専門知識や地位財ではなく「感謝の気持ち」です。家族や従業員、講師の方々、お客様…支えていただける存在がいるからこそ、こうしてこのような文章を書く事ができています。
これからも感謝の気持ちを忘れず、謙虚な気持ちで、何事も直向(ひたむ)きに夢に向かって邁進します。
税理士法人アピロ・株式会社アピロ 代表 新酒芳斗(2013年卒、55期生)
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