校長通信
東京 第19号
2019/05/27
トランプ大統領来日前の厳戒態勢の東京に学校視察に行きました。関東には特長ある私立学校がたくさんあり、新しい教育、進んだ取り組みが行われています。「東京盲従」ではありませんが東京は情報が多く、そこに行くと何らかの刺激をもらえます。自分自身、高校時代には金銭的にも学力的にも全く考えられませんでしたが、今思えば「東京の大学に行っていたら人生変わっていただろうな」と考えたりします。
郁文館中学高校、グローバル高校(東京都文京区)では、渡邉美樹理事長の教育観を実際にうかがうことができ、教育にかける情熱をひしひしと感じることができました。ビジネス界、国会議員としてのご活躍もあり、オーラが出ていました。とても勉強になりました。昨秋の訪問では、論究活動や留学プログラム、グローバル教育について教えていただきましたが、今回は、NIEや起業塾の取組、一人一台のICT教育や図書室、新設のFutureRoomの活用を見学しました。
渋谷教育学園幕張中学高等学校(千葉市美浜区)では、シラバス、進路指導(難関大学、医学科、海外大学への対応)や教員採用・育成、卒業論文について、学ばせていただきました。田村哲夫理事長の著書『渋谷教育学園はなぜ共学トップになれたのか』を読ませていただき、その空気を実際に感じたいと思っていました。アメリカ研修でご縁のできた進路担当の井上校長補佐から生徒たちの様子や取り組みをうかがいました。体育大会前で本校と同じく校庭では長縄跳びの練習が所狭しと行われていました。
両校ともに「夢を持たせ夢を追わせ夢を叶えさせる」「自調自考」といった教育の目的や目標を実現するために、理事長や校長のリーダーシップのもと、教員や生徒の主体性が尊重されていました。「井の中の蛙」にならないよう、私だけでなく他の教員が色々な分野での学校視察を行っております。先進校からも衆知を集め、創立の精神のもと本校独自の改革を進めて行きたいと思います。
学部再編が話題で、本校から一昨年60期生が進学した東京工業大学を見ておこうと大学入試課を訪問し、資料をもらいました。東工大は、創立130年を越える日本最高の理工系総合大学です。3つのキャンパスに学士課程約5,000人、大学院課程約5,000人の学生が学び、うち、約1,200名が海外からの留学生、教員は約1,200人だそうです。資料によりますと、世界を舞台に科学技術の分野で活躍できる人材の輩出と地球規模の課題を解決する研究成果によって社会に寄与し、長期目標である「世界最高の理工系総合大学」の実現を目指します。とあります。今回、日本の大学で初めて学部と大学院を統一し「学院」を創設されたこと、池上彰さんが教鞭を執られたリベラルアーツ研究教育院やグローバルリーダー教育院など文理にとらわれない新しい教育が行われていることなど、注目すべき大学の1つです。本校生も身近な京阪神の大学だけでなく、教育内容の充実した東京、全国、海外の大学にも目を向けてもらえればと思います。