校長通信
西日本大震災とウクライナ 第112号
2022/03/14
東日本大震災から11年。今年は全体の避難訓練は行いませんでしたが、学年学級単位で震災防災学習を行いました。
先日、京都大学名誉教授の鎌田浩毅先生の講演「南海トラフ地震のメカニズムと被害想定」にオンラインにて参加させていただきました。鎌田先生は京都大学でも人気教授として活躍、著書多数です。昨年3月10日の退職教員最終講義はYouTubeでみることができ、78万回を超える再生数になっています。鎌田先生は、南海トラフ地震発生可能性期日、被害規模を伝え、また「西日本大震災」ということばを使うことによって、防災に対する国民意識を高めようとされています。
インタビューでは次のように発言されています。
南海トラフ地震は2035年プラスマイナス5年の間に起きると考えています。南海トラフに沿って東海、東南海、南海の三つの震源域があり、歴史を振り返れば約100年おきに巨大地震が起きています。前回は1944年に昭和東南海地震(M7・9)、46年に昭和南海地震(M8・0)が2年の時間差で発生しました。南海トラフ地震は絶対に“パス”がなく、虎の子の知識なのでぜひ有効に活用してもらいたいのです。
立命館アジア太平洋大学学長の出口治明先生の『教養としての地政学』を再度読みました。これまでも『本物の思考力』『カベを壊す思考法』などを読み、「数字、ファクト、ロジック」「人・本・旅」など思考や行動の指針にさせていただいています。数年前に講演会でお話しさせていただき、ファンになりました。地政学を読み直したきっかけはウクライナです。日本政府は「ロシア軍によるウクライナ侵攻」との見解を示しました。ウクライナでは死傷者が増えているほか、国外に避難する人が230万人を超えています。日本政府は支援の必要性が高まっているとして、ウクライナとその周辺の国に対して総額1億ドル、116億円余りの緊急人道支援を行うことを正式に決めました。また、経済的な制裁としてアメリカや日本の多国籍企業がロシアでの営業を停止しました。
災害も戦争もこれまで人類が経験してきたものです。自然と人為での違いはありますが、同様の惨事が繰り返されることなく人類の課題として乗り越えていきたいですし、人命が奪われることはあってはならないと思います。