校長通信
つもりの勉強よりも 第19号
2022/05/19
5月18日、高校集会で用意していた長い方の原稿です。
3年生に向けて
受験生において、「3」のつく時に注意といいます。頑張ろうとして、勉強し始めてしんどいのが3日目。この壁を越えられないと3日坊主と呼ばれます。みなさんはこれは大丈夫ですね。
4月から3週間目。世の中はゴールデンウィークで浮かれていて、部活動も頑張りどころ。「疲れたな、少し休もう」と流されてしまわないこと。負けないこと。大丈夫でしたか?もし、計画通りになっていなければ、焦る前に、計画を立て直しましょう。
そして、次は3カ月。共通テストまで200日前。梅雨に入り身体もバテてくる頃。授業をだらけたり、講習を休んでしまったり何か理由をつけたくなる。「夏休みに頑張るから」と先で頑張るという借金をして、自分を安心させてしまったり。
くじけずになりたい自分への想いを強くしてください。
1・2年生に向けて
「田舎の学問より京の昼寝」ということわざがあります。田舎で学問を一生懸命勉強するより、都の京都にいて、昼寝でもしながら、いろいろな所を見て歩けば、知識が知らないうちに、身についてしまうということをいいます。昔は田舎では学問を学ぶ方法として、本を読むくらいしかなかったようです。都の京都には、学問や道徳、芸などを身につけた本物の人や先生がたくさんいるので、そういう人たちとつきあいができれば、多く深く学ぶことができるということです。どうせ住むなら、都がいいということをいっているのではないかと思います。
今、こんなことをいうと、「田舎を馬鹿にするな、おかしい」と言われるでしょう。今は情報が日本のすみずみまで瞬時にして届きますし、「大学」を見ても、都会の大学と地方の大学で研究成果に差があるわけではありません。逆に、環境を整え、地域の特性を活かした大学が優秀な研究者を集めて、伸びています。研究に適している地方大学も多いです。また、現代では、交通網や通信技術の発展によって、誰とでも自由にコミュニケーションを取ることができます。どのような場所にいても学ぶことができます。しかし、勉強する心構えとしては、今に通じるものがあります。京都大学元総長の山極壽一先生は「正解をひたすら暗記する受験勉強をしてきた高校生の多く大学に入って壁にぶつかっている。」と話されています。
インターネットを調べただけで、知識を得たつもりになっていないでしょうか?先輩の話を聞いたり、実際に体験することに意味があるのは、今も昔も変わりません。動画を見てわかったつもりになっていないでしょうか?授業で直接聞いたり、考えたり、意見を発表したりすることで自分ものになります。「つもりの勉強よりもほんものの学び」です。覚えることは大事だけれど、ちゃんと考えましょう。それが、自分のやりたいこととして明確になったり、プレゼンをする原動力になっていきます。1・2年生の間に、体験を増やすこと、多面的に考えること、感性を豊かにすることに努めてください。
学年最初の中間考査に向けて頑張ってください!