学校ブログ

校長通信

入学式 第3号

2023/04/07

行事

4月7日、ご来賓、保護者の皆様を迎え、午前に中学校第71回、午後に高等学校68回の入学式を行いました。中学一貫探究コース173名、高校一貫探究コース163名、文理探究コース190名のみなさん入学おめでとうございます。

たくさんの祝電をいただき、ありがとうございました。

中学校の宣誓はしっかりと大きな声で読めました。さすが高校生。3年間の成長を感じさせました。

高校生は入学生のコース代表が、決意気持ちを述べてくれました。3年間への思いを感じることができました。頑張って行きましょう!

みなさんの学校での生活は、コロナが大きく影響したと思います。これまでと同じようにならずに、悔しい思いをしている人もあるでしょう。でも、みなさんが積み上げてきた経験は、必ず役に立ちます。距離を置きながらまわりを気遣ったり、離れていても心を通じ合わせたり、ICTを活用したり・・・。一所懸命に過ごしてきた日々に自信をもってほしいと思います。

生徒会からの激励の言葉も。挑戦やあいさつについて話してくれました。

また、マンドリン部や吹奏楽部の演奏も素晴らしく、来賓の方からもたくさんお褒めの言葉をいただきました。

高校の式辞の要旨、抜粋です。

高校入学にあたり「多くの体験を積み、感性をさらに高める」というお話をしたいと思います。知識基盤社会といわれる現代において、今まで、皆さんは多くの知識を得てきました。そして、これからも知識を得ていくことになるでしょう。オンライン教育はあたりまえになり、バーチャルが日常化するかも知れません。そして、今話題の人工知能AIは、質問に応答し高精度の会話が可能になりました。どんどん進化することでしょう。しかし、人工知能は人間の求めに応じて情報を集約・要約し、人間が理解できる自然な言語に置き直してくれますが、現実に存在する世界について何も知ることができません。

私たち人間は、機械とは異なる能力、機械には模倣されない能力を持っています.それは知識に対応する現実についての確固たるイメージを形成し、生活に役立てることです。そのためには、知識を有効に活用し、生活に即した多くの体験が必要となります。机上で理解していたことも、実際には通用しないことが多くあるはずです。興味や関心を高め、多くのことを体験する中で自らの無知を知り、自らの無力を感じて、逆に、そのことをエネルギーに、「ほんとうの生きる力」を育んでほしいと願います。

そして、私たちは、今までながい年月を費やし、世界でも類を見ないほどの感性を育んできました。それは、日本という国が持つ風土が大きくかかわっていると言われています。春夏秋冬という四季を持ち、季節を愛で、古代から続く文化・伝統を大切に継承して、今日に至っていることが、私たちの豊かな感性の源です。私たちは、この文化・伝統を引き続き継承していく義務があります。そして、このことは、私たちがグローバル社会の中で、国際人としてのアイデンティーを確立することにつながり、同時に皆さんのアイデンティーを確立することにもかかわってきます。豊かな感性は、私たちが困難な局面に遭遇した時や、解決できない問題を抱えたときに役立ってくれます。極めて難しい、一つの道を選択しなければならない時に、高められた感性は、「勘」「ひらめき」「感覚」となって、道をたがわず導いてくれるはずです。これは、AIとは違った可能性だと考えています。

東京の大学に進学する65期生の卒業生は「素直かつ頑固であること」「無理しないこと」「好きになること」と言いました。本校では多くの卒業生が後輩たちのために自然体の言葉や経験談を残してくれています。
「受験を成功させるにはもちろんたくさん頑張らないといけませんし、色々運も必要ですが、正直生まれ持った才能も必須です。でも、この雲雀丘学園で学べていることはその才能・ポテンシャルが十分にあることを何より実証しています。雲雀の人はちゃんとやればどこまでも行ける素質があるから、それをほっとくのはとってももったいないと思います。あとは頑張りや、そのやり方や心の持ちよう次第。」とありました。彼は第一志望で雲雀丘に進学したのではありませんでしたが、自分の可能性を信じて、努力を重ね、進路実現をしました。

最終的にここに進むと決めたのは君自身です。どんなに落ち込んでいたとしても、私達教職員一同は『生徒一人ひとりの夢の実現をはかる』という高い志のもと情熱をもって努力し、取り組んでまいります。心配はいりません。ぶつかってきてください。これから三年間どうぞよろしくお願いします。
保護者の皆様にお願いがあります。「子離れして下さい」というお願いです。高校時代は、親離れを遂げ、人を守り支える大人へと成長する時期です。子どもが何を考え、何に悩んでいるのか、見えないもどかしさに親として苦しむ時期です。親として、自ら全力をあげて成長しなければならない時期でもあるようです。私自身も親として苦しい時期でした。

三年後、みなさんが卒業される時、「雲雀丘に来て良かったなあ」「三年間で随分成長したなあ」と胸を張って言えるようになっていただきたいと願い、私の式辞といたします。

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