校長通信
平和の夏 第38号
2024/08/12
オリンピックの競技に目が離せませんでした。開会式からこの国どこにあった?忘れていると地図帳。こんな競技・ルールなんやと単純に勉強しています。毎度連日、日本のメダル数や勝利が報道されますが、日本に限らずそこに辿るまでの経緯や努力に触れ、いろいろなことを教えてもらえます。一方、SNS上の選手や関係者への誹謗中傷も多いようです。日本オリンピック委員会(JOC)は、止まらない誹謗中傷を問題視し、緊急声明を発しました。
オリンピック憲章に記載されている「オリンピズムの根本原則」の第1項には「オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる生き方の哲学である。オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである。その生き方は努力する喜び、良い模範であることの教育的価値、社会的な責任、さらに普遍的で根本的な倫理規範の尊重を基盤とする」とあります。
そして続く第2項には「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである」と、明確に平和な世界を築くためにスポーツを役立てることが目的であると定義されています。
今回のパリ大会においては、2023年11月ニューヨークで開催された第78回国連総会で「スポーツとオリンピックの理想を通じて平和でよりよい世界を築く」と題した決議が採択されました。休戦決議では、通常オリンピック開幕の7日前からパラリンピック閉幕の7日後までが休戦期間に設定されています。これによってこれまでの慣例に従い、2024年7月19日から9月15日までがオリンピック休戦期間とされ、その遵守が呼びかけられています。
残念ながら、ロシア・ウクライナ戦争は泥沼化し、パレスチナ・イスラエル戦争も膠着状態の中の平和の祭典は報道がないだけで気になりますが、SNSの中のオリンピアンを傷つける行為こそ、オリンピックを冒涜しており、憤りとともに恐怖を感じます。
高校野球でも、コンナコトガオキルノデハナカロウナ。
これまでも生徒のみなさんには、8月には平和と祖先を感じてほしいと話してきました。先日、お墓参りに行き、ブドウを買いに立ち寄りお話ししておりましたら、偶然にも亡父を知る方だと分かりました。年数も経ちますのに父親の話をしていただき、とてもうれしくありがたく感じました。