校長通信
高1へ 第55号
2024/10/07
高1職業人レクチャーが行われました。目的は以下です。
キャリア教育の一環として、専門的な知識や技術を有する職業人の方々との出会いを通じて、職業について深く考える機会を持つ。また、自らの人生設計の第一歩として、将来どのようにして社会と関わっていくのかを深く考えるきっかけとする。
冒頭に高1生徒代表にインタビューをしながらみなさんにお話ししました。
本校では大学進学のその先を見据えています。だから、学校内だけの勉強でなく社会とつながることが大事だと考えています。探究のねらいもここにあります。親から習い学んだこと、先生から教えてもらったこと、これまでの人生でたくさんあると思います。今回の企画は、親でも先生でもない職業人「ななめの関係」の人から学ぶことになります。もしかするとその言葉がすっと心に響くかもしれません。そんなときに自ら調べてみよう。進路は大学の合格することでなく、自らの人生を自ら切り開くこと。行動を起こす材料になるようしっかり学んでください。
奇しくも同日午後に高1の保護者懇談会がありました。学年からのリクエストがあり、保護者の皆様に以下のようなお話しをさせていただきました。要旨のみ書かせていただきます。
第一に、18歳成人まであと2年です。ポイントは2点で、成人とは「一人で契約をすることができる」と「父母の親権に服さなくなる年齢」となります。自分の意思で様々な契約ができ、自分の住む場所、進路なども自分の意思で決定できるようになります。法的に成人であっても「精神的な自立」ができているかです。18歳になったから、大学生になったから、急に放そうと思ってもできません。今の段階から親子関係の中で、自立を促し、よくお話ししてほしいと思います。
第二に、大学入試です。「大学生にさえなればなんとかなる」「いけるところにいければ」「早く終わってほしい」と思う人が多くなっています。保護者の方も子と同じように、子以上に同じように思ってしまいます。
一方、大学は「大学全入時代」に入りました。大学は学生集めに必死です。附属校、協定校、推薦入試と早期にかき集めています。かつては有名大学に行けば、一定のレベル以上の学生しかいませんでしたが、今は玉石混淆、レベルの低い学生もたくさんいます。学力だけでなく人間力もです。
大学や企業は鍛えようとしますが、企業も大学名だけで採用できず、厳しいことをいうと採用につながらず、辞めてしまう状況です。難しいようです。やりたいことが明確な学生がまだ多い大学もあります。しかし、人間関係がうまくできない人も多く、ケア無しでは続かないようです。ただ、大学院や資格を目指して学ぶ姿勢をもつ文系・理系人材が多い大学もあります。本校生徒にはこのような大学を目指している目的を持ち努力している生徒も多いように思います。
第三に、文系か理系かを考える時期です。損得ではありません。できるできないはあるかも知れませんが、すべての教科オールマイティにできなくてもよく、これをやりたいが見つかればよいのかも知れません。私たち教員はこどもたちを横にみていますが、保護者の方はこどもを縦にみています。小さな頃にどんなことに興味を持っていたのか、を呼び起こしてみてください。成績や点数が興味関心を曇らせてしまっているのかも知れません。
結論的に、大学を見据えて言えることは、学校の勉強をちゃんとやってくださいです。5段階の評定が高いことも大事です。評定の高い人はしっかり努力できており、うまくいっています。評定は考査点だけでなく平常点も加味しています。
この学年の生徒は、素晴らしい資質を持っている生徒が多く、ひたむきに努力できる人が多いと思います。成長を楽しみにしております。