校長通信
第4の協定校 第59号
2025/10/23
常務理事に同行して韓国・豊山(プンサン)高校を訪問し、「教育的・文化的交流を通して絆を深めることを目的とする友好協定」を締結しました。本校にとってはドイツ、台湾、メキシコと非英語圏の学校ばかりで4校目になりました。経緯は、韓国財界の学校理事関係の方が関西万博を訪問され、日本の学校との交流を探されてご紹介があり、やり取りが始まりました。8月には生徒のみなさんが万博に来られ、校長先生が本校に視察にいらっしゃいました。教育内容や校舎、生徒の様子を見られ、互いに交流としようということになりました。
豊山学校の場所は、慶尚北道安東市豊山邑で韓国第4の都市である大邱市中心部より車で1時間30分の場所にあります。全校約300名の男女共学の全寮制の高校です。中学校も併設しています。
建学の精神は、「忠孝精神の継承と暢達」で、これは「不誠無物(誠なければ物なし)」の教えを鏡として、誠実さを体質化することを示しています。この考えは「屏山書院」における教えによる影響が大きいです。世界文化遺産「屏山書院(Byeongsan Seowon)」と地理的・歴史的に密接な関係を持ち、学校教育・体験学習に取り入れることで人格形成や道徳教育も重視しています。屏山書院とは、1572年に儒学者の柳成龍によって創設された教育機関で、朝鮮時代の学問と儒教倫理の中心として機能してきました。1868年の書院撤廃令後も存続を許された希少な書院の一つで、2019年にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。
学校目標は、正しい人格を備えた、創造的で融合型の人材を育成することを目指しています。
特長は次の3つです。
高校学点制:生徒が進路に応じて科目選択をし主体的に未来を設計する。
教科特性化学校:情報、数理、科学に興味と素質を持つ生徒が深く探究する。
国際バカロレア候補学校:生徒中心の探究授業を通じて、学びのパラダイムを転換する。
全寮制の高等学校であり、8:10~23:30まで自習を含むカリキュラムが組まれており、全生徒一人ひとりに個別の自習スペースが確保され、夕食後は深夜まで自習に励むことができます。詰込み型の受験指導だけではなく、IB候補校でもあり、討論や探究学習も盛んに行われています。高校募集は全国単位で行い、中学校成績上位7%以内が条件で、設備や寮、食堂も充実しており、人気が高い学校です。
進路についても、ソウル大学をはじめ有名主要大学に進学する人が多く、医学部や理工系の特別大学への進学者も多いです。
授業では全ての生徒が熱心に受講し、主体的に討論したり、ハイレベルの英語、化学の実験を見せていただきました。探究学習は、放課後に個別指導を受けている人もいるようで、数々のコンクールで受賞しているそうです。
今後の相互訪問についても提案がありました。親元を離れて、自立・自律して学習に取り組む同世代から学ぶことも多いと思います。本校生徒の中にも韓国文化に興味を持つ人も多く、交流が実現する日を楽しみにしております。
