学校だより
図書室 中村哲さんのこと
2019/12/05
図書室から
ペシャワール会という国際NGO団体で現地理事を務める医師・中村哲さんは30年以上に渡りパキスタン、アフガニスタンで活動してきました。
医師である中村さんが医療活動以外に尽力していたのが用水路建設です。現地の人々の病の背景にあるのは干ばつによる慢性の食糧不足や栄養失調であることから、砂漠化した農地の回復が急務だと、灌漑(かんがい)用水事業に重きを置いてきました。中村さんが手がけた井戸や用水路によって、多くの村々が木々が生い茂る緑豊かな土地に生まれ変わっています。
昨夜、中村さんが現地で襲撃され命を落とされたというニュースが届きました。数日前に「来たる年も力を尽くしたい」という連絡があったばかりだったそうです。志半ばです。
中村さんがいつも心がけていたのは、現地を尊重する支援でした。「なるべく地元の素材を利用し、地元のやり方で、そこの人々の手を借りて、ローカルの力を活用すること」です。
「100の診療所より1本の用水路を」中村さんの思い、現地での活動は多くの著書に残されています。