学校だより
図書室 こんな本、読んだ⑬
2020/03/04
図書室から
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士/丸山正樹(文藝春秋)
ヒバリの図書室ではビブリオバトルを定期的に開催しています。
今回おすすめする本は、今年のビブリオバトル全国高校生大会でチャンプ本(最も読みたいと思われた本)だったです。バトラーは埼玉県の高校1年生でした。
タイトルにある「デフ」とは耳の聞こえない人のこと。これは、両親と兄がろう者で、自分は聴者である「荒井」が主人公の小説です。こう聞いて「うわ、難しそう」と思った人、安心してください。この小説はミステリーです。聴覚障害というテーマを扱いながら、謎解き仕立てのこの本、よくできています。
主人公はその家庭環境から、ろう者であり聴者でもあるという生き方を余儀なくされた、つまりは「はざま」の存在です。そのことで彼は様々に悩み苦しんできました。そんな彼が手話通訳士として、ある殺人事件に関わっていきます。
この本を読んで、手話にもいくつかの種類があることを知りました。「日本手話」「日本語対応手話」「中間型手話」「口話法」、そして手話を「言語」とすることが現在では認められていることも知りました。全国高校生大会バトラーの「この本を読んで、聴覚障害のことをたくさん勉強しました」という言葉が印象的でした。本を読むことは結局、勉強につながります。
ビブリオバトル全国高校生大会の様子はYouTubeで見ることができます。「ビブリオバトル 高校 第6回」で検索してみてください。雲雀ビブリオバトルも面白いですよ!参加者、待ってます。 (国語科・図書係:岩瀬)