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【SDGs#20】人や国の不平等をなくそう

2020/10/16

SDGsだより


カンボジア中央部にあるトンレサップ湖。琵琶湖の数倍の面積を誇る湖ながら、そのほとんどは水深1mほどの遠浅の湖です。ここには約100万人近い水上生活者が暮らしています。10年以上前になりますが、テレビでこの湖が紹介されており、彼らを見るために観光用の船が運航されていることが特集されていました。しかし、私は彼らが見世物として商売のために利用されていることに、違和感を覚えたのでした。

さて、なぜ彼らは水上生活を送るのでしょうか。水上が楽しいからと考えているとすれば、それは大きな間違いです。彼らには国の「居場所」がないのです。水上生活者のほとんどはベトナム系の難民です。カンボジアでは国籍を持たない者は土地を買うことができません。したがって、やむを得ず水上生活を送っているわけです。彼らの生活は我々の想像以上に過酷なものです。水上の家はとてももろく、強風や洪水ではすぐに倒壊する危険があります。雨季の際には、湖の水深は数メートルも上がりますし、湖には毒蛇も棲んでいます。また排泄物なども垂れ流すため、水の衛生面は極めて酷い状態です。水上では稼げる仕事もほとんどありません。捕れた魚を売ったりするくらいでしょうか。子どもたちは観光客の舟に寄っていき、お金を求めます。それでも彼らには帰る場所がなく、水上生活から抜け出すことはできないのです。そうして一生を暮らすことを、あなたは想像できるでしょうか。世界には様々な場所に人が住んでいますが、安全な場所、快適な場所、自由に移動できる場所に住んでいる人はとても少ないといいます。こうした世界の事情についてたくさん知り、SDGsについて考えてみましょう。



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