学校ブログ

高3学年通信(64期生)

あとがき

2020/09/17

〈エア〉修学旅行記を読んでくれてありがとうございました。一応軽く設定もありまして(ちゃんと読むとわかるようになっているところもありますが)、①の温泉大好き男子は一貫文系男子、②は文理の文系女子、③は文理の理系女子、④は文理文系男子、⑤は一貫文系女子ですがグループは文系理系ミックスで、途中クラス入り乱れて最後は30人になりました。具体的な人は想定していません。イメージです。

64期生の皆さんの顔を思い浮かべながら書いていたら、想像以上にキラキラした修学旅行になりました。もちろんこんなキラキラな人たちも、キラキラじゃない人たちもいるだろうし、そもそも30年以上前に高校生だった私が書いているわけですから、違和感もあるかと思います。でもきっともっとキラキラな修学旅行になっただろうなと思うと行けなかったことが残念で悲しくて、私はこれを泣きながら書いていました。

ではなぜそんな思いまでして書いたのか。これを読んで皆さんがどんな気持ちになるかを考えて書きました。単純に面白いと思って読む人もいるだろうけど、多くは嫌な気持ちになるだろうと思いました。わざわざ嫌な気持ちにさせるなんて意地悪だ、と言う人もいるでしょう。

でもね、私は皆さんに、きちんと悔しがってほしかった。仕方ないこと、みんな我慢してる、受け入れて生きて行かなきゃいけない。皆さんは優しくて賢いからそう思って大人を困らせないようにしてくれています。それは大人になるために必要なこと。そこに甘えて触らずに過ごすこともできました。でも、私はここで誰にぶつけることもできない怒り、持っていきようのない悔しさを爆発させてほしかったのです。だからあえて皆さんの心に揺さぶりをかけました。

「行きたかったな」「悔しいな」と、ひとり涙を流してもいい。

「くそーーーっ!こんなの書きやがって腹立つーーー!」と、お風呂で大声出してもいい。

感情に蓋をせずに放出してほしい。そして「いつか取り返してやるぞ!」というエネルギーに替えてほしい。

そこまできちんと心を動かして初めて、本当の意味で「現実に向き合った」と言うことになるのではないでしょうか。

負の感情を持つことは決して気持ちのいいことではありません。エネルギーを奪われるときもあります。だから皆さんには悲しい思いや悔しい思いをできるだけ味わってほしくないし、いつだって笑っていてほしい。良い思い出をたくさん作ってあげたい。大人であれば皆そう思うでしょう。でもどうしようもないこともあります。現実ときちんと向き合い乗り越えて、いつか取り返してやると誓いましょう。そして日々の中で思い切り笑い合えるタネがそこかしこに転がっていることに目を向けましょう。皆さんはここに書かれた〈エア〉高校生のキラキラ以上の、本物の輝きを持っているのですから。

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