高3学年通信(66期生)
各々の当たり前
2022/10/25
10月最終週2日目、日に日に寒くなっているような気がしますね。週末にかけてまた少し暖かくなるようですが、それでもやはり、夏という感じではなくなりましたね。過ごしやすい季節、勉強にも身が入りやすくなっているでしょうか。
秋の植物といえばいろいろありますが、校内にはいくつか金木犀の木があります。毎年この時期になると、フワッと心地よい香りを漂わせてくれます。ここしばらくその香りにも癒されていましたが…
早くも花を落としてしまっていました。季節の移ろいは早いものです。
と、別の場所では、もみじが葉を燃やし始めていました。緑と赤のコントラストがあるこの状態でも美しいですが、真っ赤に燃えた状態もまた美しいものですよね。そうなるまでももう少し。やはり季節の移ろいは早いものです。
気づけばもうすぐ11月。これから植物は一度葉を落とし、養分を蓄え厳しい冬を越え、春を迎えて葉を芽吹かせます。66期の皆さんも、受験生としての自覚を持ち始め、春にかけて一度これまでの内容を復習し、力を蓄え、春を迎えた時にはいよいよ高校3年生。遠いようで、勝負の時は刻一刻と近づいています。季節の移ろいの奥に、その足音を少しずつ感じてほしいものです。
世間でもよく言われているSDGsの目標4に、「質の高い教育をみんなに」というものがあります。地域にも差はありますが、場所によっては、20%の子どもが、つまり5人に1人が小学校に通えないというところもあるそうです。家族の都合があって家にいなければならない、生活費のために勉強よりも仕事をしなければならない、理由は様々です。
日本では、特別な事情がない限り、中学までは学校に通うのが義務。高校以降は自由ですが、今や高校・大学や専門学校と進学するのが大体の流れになっていますよね。当たり前にあるその環境を、常日頃からありがたいと思っている人はそう多くありません。人間は、当たり前にあるものは「当たり前だ」としか感じませんからね。それが当たり前ではないと知って初めて、ありがたいと思うのです。
ですから、まず第一に大切なのは、「当たり前をありがたいと思うこと」ではなく、「当たり前が当たり前ではないことを知ること」です。そしてもう一つ大切なのは、「だから当たり前にさせてもらっていることが申し訳ないし、そうでない人たちは可哀想」と考えるのではなく、「当たり前を享受できていることに感謝しつつ、そこにどんな意味を見出して学ぶか、それをどのように還元するか」です。特定の人たちにとっての当たり前を誰かに当てはめることは難しいことです。だからこそ、その当たり前は自分にとっての当たり前としてありがたく受け取って、そうでない人たちに何を供給できるかが大切なのです。
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