高2学年通信(68期生)
五輪選手のことば④
2022/03/25
五輪選手のことば第4回、最終回です。
最後を飾るのは、フィギュアスケート男子の羽生結弦選手です。
「氷に嫌われちゃったな」
羽生選手はソチ五輪と平昌五輪で2連覇を達成しており、北京五輪での3連覇に期待が寄せられていました。しかし、ショートプログラムでジャンプのミスがあり、初日を終えた時点での順位は8位、点数でも首位とは大きな差がついてしまいます。冒頭のことばは、演技の後にインタビューで羽生選手が語ったことばです。彼はこう続けます。「(氷の)穴に乗っかかりました。今日のミスは自分ではどうこうしようのないところだった」
これだけを聞くと、自分のミスを他になすりつける、何だか心の弱い人が言うことのように思えます。しかし、羽生選手は自分を限界まで追いこんで努力をすることで有名です。つまり、彼のことばからは次のことを学ぶことができます。
精一杯の努力をしても、運や自分のあずかり知らない何かによって結果が伴わないことは確かにある。
(このことについては詳しくは以前のブログに載せています)
今回紹介したことばには続きがあります。
4回転アクセルという前人未到のジャンプに挑戦をしたフリーの演技が終わった後、羽生選手はリンクの氷に触れるという仕草を見せます。そのときに何を感じていたのかと問われて、次のように彼は答えます。
「やっぱりこの氷好きだなと思って感謝してました」
私たちは、それぞれの現実に向き合って精一杯生きるしかないということ。現実はきれいごとではなく、運によって人生が左右されることもあるということ。それでも、それを他のせいにしたままでいると決して前には進めないということ。
よく考えれば至極当たり前のこと、だからこそ実行するのはとても困難であるということ、そのことを羽生選手は教えてくれます。
なお、北京五輪でのフィギュアスケート、日本勢は男子が鍵山優真選手が銀メダル、宇野昌磨選手が銅メダルを獲得し、女子では坂本花織選手が銅メダルを獲得しました。
現在フランスで行われている世界選手権でも、日本の選手が活躍しています。
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