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常務理事便り
2019年12月16日
「探究授業を終えて感じたこと」
3回の探究ゼミを終え、ほっとしているところです。本校の探究ゼミは中井校長が旗振り役をされ、7月から開講されました。本校の教員が、自らの専門的知識や技術を活かし、授業という枠を超えて、また学年という壁を払って、専門的なテーマに関心を持つ生徒たちとともに「ゼミ」形式で学び、探究心を培って行こうという試みです。
そして最終回、「君は八田與一を知っているか」として、日本統治下の台湾で巨大なダム建設を成し遂げ、荒地を有数の穀倉地帯に変え、貧困の農民を救った八田與一の挑戦と地元民との心の交流を話しました。因みに生徒に八田與一を知っていたかを尋ねたところ先生方も含め誰一人いませんでした。しかし台湾では最も有名で台湾人が最も敬愛する日本人です。台湾が親日的なことを知る人は多いと思いますが、陰には八田與一のような人がいたことは忘れてはいけないと思います。
生徒からアンケートを取りましたが学園長から話が聴けてよかったがほとんどでしたが、これは生徒の気配りでしょう。私としては生徒が興味を持てるように、生徒と双方向になるように、また考えさせる内容になるよう工夫したつもりですがその効果のほどはいかがだったでしょうか。また社会に出て立派に生き抜いてほしいとの願いから、やや精神論的な話しが多くなったのではとも思っています。
私は探究こそ今後の授業の在り方を示すものだと思います。教科で分断された授業でなく、課題を解決するために教科を動員すべきです。さらに社会に出ると課題を発見することが必要になります。そのためには社会や政治にもっと関心を寄せること、具体的には新聞をもっと読むこと、そして生じた疑問や課題を先生や友だちとしっかりと議論することが大切です。生徒には自らが主体者となって解決する姿勢が、学校には生徒が適切な判断ができるようなリソースを提供することが求められます。
(2019.12.14)