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常務理事便り
2021年12月08日
「今になって思う父」
学園ブログの「親孝行・やってみなはれ」コーナーは開始以来4年が経過しました。先日、投稿された178作品から「もう一度読みたい 読んでもらいたい作品」に11点が選ばれました。
感動の作品ばかりですが、その中でもわたくしが印象深かったものを2つあげたいと思います。1つは「おやじの背中」(小学校石井先生)です。先生は父親から、結婚して10年経ったら開けても良いという手紙を預けられます。約束通り開封するとその手紙には「早く実家に帰って来いよ」とたった一言書かれていたのです。子供の頃から父親はいろいろアドバイスしてくれますが、最後は先生に「好きなように生きろ」と本人の意思を尊重する人でした。
先生は高校卒業してからというもの大学進学も就職も自分の意思を通し、その結果、生まれた和歌山を長く離れてしまう生活になったのです。父の本音を知った先生は改めて優しかった父の面影を振り返ってみるのです。
講堂エントランスにかかる鳥井信治郎像 創立の精神 事務局前の石碑
もう1つは「亡き父の言葉」(小学校岩城先生)です。「お前の顔を見ると本当にほっとする」。親のことなど考えたこともない私にとって、離れて暮らし、たまにしか会わない父のこの言葉に何ともいえぬ暖かな気持ちを感じるのでした。父は他界し2児の母となった今、ともすると子育てに条件をつけようとするわたくしに父の言葉は蘇ってくるのです。
親孝行したい時に親はなし、よく言ったものです。なぜあの時あんな事を言ってしまったのか、あの時あーしてやれなかったのか、古稀を過ぎたわたくしにも後悔の念がよぎる時があります。
この2人の先生の作品は2年前に掲載された時、いい話だなーと思って脳裏に残っておりました。それが今回選ばれて私自身も大変嬉しく思っています。2つの作品とも父親がテーマになりました。どちらかというの親子の情愛という観点では母親の方に軍配が上がります。父親の面目躍如といったところです。
親孝行やってみなはれコーナーは今や人気のコーナーになりました。先生方の素直な気持ちが表現され読まれた方の共感を呼ぶのだと思います。直近では中高の中井先生の「おじいちゃんとの夏合宿」が掲載されています。現在の中井校長をかたち作ったおじいちゃんとの得難い経験が大変興味深く披瀝されてます。今後このコーナーでは学園運営委員会のメンバーが順次投稿していきます。渾身の1作を書かれると思いますので楽しみにしてください。
「親孝行」そして「やってみなはれ」の創立の精神を教職員が心に刻み実践しそして子供達の心に語りかけるとき、雲雀っ子が社会に大きく羽ばたくときだと思います。
(2021.12.8)