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常務理事便り
2022年03月31日
「 ご縁に支えられ」
学園の しだれ桜 や ソメイヨシノが 満開になりました。 これから4月になって 新入生が 入学する頃は 学園にとって 最も 気持ちのいい 季節になります。
先週3月24日 開催された 雲雀丘学園創立70周年記念式典も無事 終了し 正直のところ 肩の荷が下りた 気持ちです。 コロナで ウェブ開催も併行しましたが それでも多くの ご出席をいただき 感謝に堪えません。 形式にとらわれず 心のこもった 開催を 心がけました。 また前例に捕らわれないで できる限り 生徒を主体にして お客様第一の 運営を心がけました。 果たして わたくしたちの 狙いは 通じましたでしょうか。
70周年記念事業の 中核は 「 道しるべ」の建設 でした。 その他 小学校校舎の リニューアル工事、 グランドの整備、 ウィルハウス の建設 があります。 記念事業が ハードの 事業 に偏らないよう 親孝行の 作文コンクール の実施、 エンカレッジ ソングの 制作 など ソフト面の 充実にも配慮しました。
70周年記念事業の 総事業費は 22億円、 うち「 道しるべ」の建設費用は 16億円でした。 借入金に頼ることなく 事業を 完遂できたことを 大変嬉しく思います。 これも 前常務理事の 松下さんのおかげと思っています。 松下さんは 自らが引き継いだ 負債を 在任中に 返済され 健全財政を わたくしに バトンタッチされました。 この功績は極めて大きいものと思います。
そもそも 私が 雲雀丘学園に 奉職できたのは 松下さんのおかげです。 わたくしが まだサントリーに 在任の 折から 3年間 誘って 頂きました。 松下さんとのご縁がなければ 今日のわたくしはなかったと思います。
「 縁は異なもの 味なもの」。 学園の 教職員の皆様にも どうぞ 「袖する縁」を 大切にしてほしいと思います。 そして自分の人生を豊かにして欲しいと 念じています。
私には 奇しき縁もあります。 私が生まれたのは1950年、 雲雀丘学園と 同い年なのです。 同い年なので 頑張らねばという気持ちはありました。 それと わたくしが 中高の 校長になった時 ある 卒業生の保護者から「 校長先生だったら(校長という立場になれば) やる気さえあれば 学校を 変えることができる」 と言われたことです。 この言葉が 私を その気にさせました。 これも 縁といえば縁です。
もう一つは 西宮で行われた 学校説明会での 出来事でした。 説明会が終了し お客様が お帰りになり始めた頃 一人の お母様が 私の所に来られて 質問されました。「 親孝行を 創立の精神とされていますが具体的にどんな事をされているのですか」と。 わたくしは 具体的に 説明することができませんでした。 納得が頂ける説明ができない私自身を 恥ずかしく、 また 口先で言っているのではないかという 負い目のようなものも感じたのです。 それからは 目標を 掲げる場合は 具体的に 行動を伴っている ものにしようと 決意を致しました。
わたくしが 会社にいた頃 先輩から言われたことがあります。 仕事は「いつまでに どれだけやるか」 が不可欠、 すなわち 納期と 目標数値。これがない仕事は 遊びと一緒だ。 わたくし自身は それを守ってきたつもりでした。 しかし それが出来ていないことを見事 西宮の お母様からズバリ指摘を受けたのでした。 それは当然のことでした。
学園は 前年度の レビューをする際には 前年度掲げた方針 を 項目ごとに 〇 △ × の評価をします。 できたかできなかったかをはっきりさせるのです。 こうしないと 毎年言いっぱなしに終わってしまい 進歩はありません。PDCAを回すということです。
もう一つありがたい縁をいただけたのは ある 高等学校の 入試広報のK先生でした。 実はこの方も ある塾の 先生からの紹介でした。K先生は 本当にマメに 情報を送っていただきました。 極めて顔の広い 方で 相談をすると たちどころに 関係する 人を 紹介していただける ありがたい方でした。 私はこういう方がもう一人 おられて サントリーを離れてからも いまだに酒類飲食情報や 私が学園に来てからは 教育関係の情報まで 送っていただけます。 この方も始まりは ある勉強会で知り合ったかたでした。
今 世のお母様方の 一番の関心事は というか心配事は お育てになっている 子供たちの将来のことだと思います。 厳しくなって いく世の中で 自分の子供は 果たして 立派に 生きていけるだろうか 生きていてほしいという 切実な願いが 根底に あります。 私は 学校の究極の目標 は 「生き抜く力」を子供達に 体得させることだと思います。
パソコンや ネットで 今は 知識は いくらでも 手に入れられます。しかし 生き抜く力は手に入れることはなかなか難しいのです。「かわいい子には旅をさせよ」「 獅子は わが子を 千尋の谷に 落とす」 という諺が あります。 かわいいお子様は どうか 厳しく 育てて ください。
このことは 学校も 保護者もさらには文科省も よく分かっているのに なかなか 解決の 手立てがつかない のが現状です。 雲雀丘学園は 人間力ある子ども、 自己肯定感の ある子供 たちを育てようとしていますが 方向性は正しいと思いますが 残念ながら 時間と辛抱が 必要です。 しかし 学園は 取り組んでいかなければならないと思います。
もっとも手っ取り早い方法は 偏差値を 無くすことだと思います。 偏差値で 大学進学や高校進学が 決まってしまうことなど 誠に 奇妙なことです。 偏差値など 豊かな 人間力の前にあっては ほんの一部の能力にすぎません。 偏差値を求めたが ゆえに 生かされなかった能力、 夢破れた人生はどれだけあるでしょう。
できることから やるとして まず偏差値で 学校選びは やめることです。 学校も 偏差値で来てもらうのではなく 偏差値以外の魅力 で 選んでもらうよう 努力すべきと思います。 例えば 「うちの卒業生は 挨拶が立派にでき 会社を明るくします」「 親孝行が 立派にでき 社会に貢献できます」「 体力があって 困った人により添えます」「 責任感があって どんな業務も立派にやり遂げます」「 縁の下の力が発揮でき みんなをまとめられます」などを 掲げればいかがでしょう。少なくとも 偏差値が 世の中を闊歩して いるようでは 日本に 活力は生まれません。
駄弁を弄しました。
いよいよわたくしの 雲雀丘学園 生活の 今日が最後の日となりました。 サントリーで41年 雲雀丘学園で 8年 合わせて49年の 社会人生活でした。 しかし これで人生を 引退するわけではありません。 明日からは 第三の人生を勇躍 歩いていきたいと思います。 幸い 雲雀丘学園で 若い子供達と 学ぶことができ これからの活力を 頂きました。
子供達には 日頃から 親孝行のこと 挑戦する大切さを話してきました。 説いてきた 手前、
自らも実践しなければなりません。 来月からは 近くの料理教室に通い「 家族への 一品料理」を月に一度 実践します。 これを 筆頭に 六つぐらいの 挑戦することはあります。 そのことは 機会があればまた お話しさせていただきます。
「 縁は異なもの味なもの」。 ご縁を いただいた教職員 の皆様には大変お世話になりました。 何も知らない 民間の人間を よくぞ 受け止めていただきました。心からお礼を申し上げます。 そして 警備員さん シルバーさん 校務員さん、 その他 学園 業務に 関わるすべての 人たちみなさんとのご縁は これからの人生に携えて行きます。 素晴らしい皆様に支えられ雲雀丘学園は 発展して 行きます 。
子供たちに親切な警備員さんと
(3/31朝)
来訪された大学の先輩と
(3/30夕刻)
偶然出会った昨年の卒業生と
(3/30夕刻)
大きく成長した鯉(3/31朝)
挨拶に来られた地元の方と(3/30夕刻)
(2022.3.31)