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常務理事便り
2023年08月23日
Vol 24 夏休み 明ける
夏休み終了際の一昨日、昨日は学園主催で、教員向けの研修を実施しました。授業技術や教育的な技術の向上を目指す研修ではなく、日ごろ、学ぶ機会が少ないコミュニケーション論、心理学や思考法等に関する内容の研修でした。グループセッションでは活発な意見交換がなされ、先生方にとっても、それなりに有意義な研修であったのではないと思います。
この研修の中で「なるほど」と思う内容がありましたので紹介します。
個人を性格、行動傾向などをもとに16タイプに分類することで、自己理解を深め、他者と相補性のある人間関係を構築するための一助とする分析法です。MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)という手法で、開発者の頭文字をとった名前がついています。
ユングの心理学がベースとなっていますが、例えば、関心事が外へ向かうのか、内に向かうのか、情報を取り入れるときの感覚的が直観的か、また、判断は思考指向か感情指向か、などで分類していきます。人の性格は千差万別ですからもちろんこれがすべてではありません。各個人が持つ傾向、指向を大きく分類したと考えればいいでしょう。
まず、私が面白く思ったのは参加した16名の先生方が16タイプのうち、なんと10タイプに分散したことでした。本校には個性豊かな人材が集まっていることが認識できたことは嬉しいことでした。組織としての強度は金太郎飴のように上から下まで同じことを指向しているほうが強いかもしれませんが、彼らの価値観から外れることは思考の外にあるわけですから、大きな落とし穴を作ってしまう可能性やそこに合わない人を排除してしまう可能性があります。多様な家庭、多様な子供たちが集い、学ぶ環境の中では、教員団は様々な視点、指向を持った集団であるほうが、子どもたちにとっての受け皿も広くなり、我々の学園にはふさわしいのではないかと思っています。
次に面白く思ったのはそれぞれのタイプによって同じ命題に対しても、まったく違った傾向、指向を示すということでした。考え方の傾向が違うのですから当たり前のことなのですが、このことは他者理解という点で改めて大きな学びになりました。我々は兎角、自分の感覚で他人を見がちです。自分と同じベースで当然他人も考えているだろう、と思いがちです。ですから、自分の予想した反応を示さないと「あの人は何を考えているのかわからない!」となるわけです。しかし、指向傾向が違えば、感じ方や考え方の土台が違い、反応も違います。例えば、きれいな景色を見たときに「すごい!!」と声を発して、ほかの人にも共感を求めるような人もいれば、その景色に感動して、言葉を発せられず、感動のエネルギーが内に向かう人もいるわけです。前者の人から見れば、どうして素晴らしさをつたえないの?感動しないの?となるわけです。ここに他者理解の難しさがあるわけです。
他者を理解し、相補的に組織を強固にしていくことは学校運営、クラス運営についても大変重要なことです。「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず」という言葉がありますが、自己理解と他者理解、簡単なようですが中々、奥が深い、取り組み甲斐のある研修となりました。