学園ブログ
- ホーム
- 常務理事便り
常務理事便り
2023年09月27日
Vol 29 小学校 まもなく前期終了
小学校は9月30日に前期が終わり、10月1日(親孝行の日)を境に後期が始まります。2年前、コロナ禍を機に、学期編成を3学期制から2学期制に変更しました。
コロナ1年目、対面授業もほとんどできない中、第一学期の成績をつけることができるのか、そこにどんな意味があるのか等々を議論する中で翌年、2学期制に移行しました。いわば外圧による移行でしたが、結果、学期ごとに成績をつけるために行われていたテストの回数が減るなどカリキュラム上にゆとりが生まれ、より時間をかけた内容ある授業展開が可能となりました。間違いなく教師、児童双方にとって良い方向に向かっていると思います。
特に中学年以下の児童について、3学期ごとに成績をつけることが本当に必要なのか、我々は大いに考える必要があります。10歳くらいまでは友達と楽しく遊ぶことを覚えたり、困った仲間を助けてあげたり、一緒になって何かを作り上げることの楽しさを経験したりすることに重点を置いたほうが、後々の人間的成長には大きく寄与するのではないかと思えてなりません。もちろん、学習することや本を読むことの楽しさを培っていくことは極めて重要ですが、学習効果を測定するという名のもとに数多くのテストを課し、その点数で評価することを行えば、人間の性として点数を取るための学習に傾注し、学ぶことの楽しさが置き去りにされてしまう場合が往々にしてあります。そのジレンマを脱するための一つの試みが2学期制への移行でした。
子供たちが「高く、豊かに、たくましく」育っているのか、そういう教育を実践しているのか、新学期を迎えるにあたり改めて検証する必要があります。小学校ではこうしたことを踏まえもう一つ新しい試みを実施しています。それは成長ルーブリック「未来へのみちしるべ」の作成です。これは本学の教育の柱である創立の精神に基づいて、自己の成長をメタ認知してもらう試みです。創業の精神を今の時代にマッチした言葉に置き換えて、あるいは児童にわかりやすい言葉に置き換えて、現在の自分のポジションをチェックできるように作られています。もちろん、学習成績とは関係がありません。各学年なりの言葉で書かれた「未来へのみちしるべ」を指標に成長していく子供たち姿を楽しみにしています。