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常務理事便り
2024年05月07日
Vol 6 剣道八段に挑戦
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
ゴールデンウイークがようやく終わり、今日から日常が戻ります。剣道家にとってゴールデンウイークの期間は高段者審査会(六段~八段)4日間、都道府県対抗剣道優勝大会1日、京都武徳殿での稽古、模範演武など3日間、と続く、剣道漬けの8日間となります。
その中でも、5月1日と2日は剣道の段位で最高峰に位置する八段の審査会が開催されました。この八段審査会は春と秋に年2回、それぞれ京都と東京で開催されます。七段を取得後、10年以上経過という受審資格に到達した先生方がこの舞台に立つことができます。審査会ごとに参加者の数は多少変わりますが、2日間でおおむね1700名~1800名の先生方が挑戦されます。しかし、きわめて厳しい審査で合格率は1%に届かないことがほとんどです。それゆえに、日本一難しい試験といわれています。
5月1日の審査会で、私は幸運にもその難関の審査を通過し、八段位をいただくことができました。2日間で1720名が挑戦し、合格者は14名(合格率0.8%)という難関でした。私は52才から審査に臨み、足掛け15年、20回以上は審査を受けました。内、1次通過は2回のみでした。今年も春先から地域の稽古会や中高生徒と剣道部での稽古、さらに母校での稽古などに可能な限り参加し準備をしてきましたが、合格するというより昨年1年間の修練の成果を発揮したい、という思いで臨みました。
審査に先立って心に決めたことは2つでした。剣道で重要な要素はたくさんありますが、その中でも「先(せん)」と「捨(す)て」を体現するということです。「先」とは簡単に言えば、「先(さき)に攻勢を掛け、攻め続け、その気持ちを緩めない」ことです。「捨て」とは「「先」の気持ちで攻め続け、ここだと思った時には打たれるかもしれないという迷いや懼れを捨て、ズバッ!と打ち込む」ということです。この審査にあたっての目標が審査員の先生方にどのように映ったのかはわかりませんが、自分ではある程度達成できたのではないかと思っています。
大願成就にはいくつかの要素があり、こうしたことは剣道に限ったことではありません。
壁が高くとも、倦まず弛まず、目標をもって継続すれば可能性は必ずある。それがなければ可能性は0です。すなわち、あきらめずに工夫し継続することの大切さです。更に、そうしたことを理解し、指導していただける先生方やこうした日々を支えてくれる家族や同僚、仲間への感謝です。自分だけの力ではとても達成できるものではありません。
私にとっては八段位合格以上に多くの学びを得、心を引き締めた八段審査会となりました。